元農水次官の長男殺害事件 70代父親が口論からパニックか

小川 泰平 小川 泰平
送検のため警視庁練馬署を出る熊沢英昭容疑者=3日午前8時29分(提供・共同通信社)
送検のため警視庁練馬署を出る熊沢英昭容疑者=3日午前8時29分(提供・共同通信社)

 小川氏は「口論をしたことがポイントかと。仮定の話ですが、これから小学校に凶器を手にして怒鳴り込むといった発言があったとすれば、父親は全力で制止するでしょう。何もないのに、40代と70代の親子ゲンカで、父親が息子を簡単に包丁で刺すとは思えない。そこで何かがあったはず。警察に相談すれば、対応してくれるはずですが、熊澤容疑者は自分のメンツも考えたのかもしれない」とエリート官僚だった容疑者の心理を推測した。

 包丁で10数回も刺したという手口についても分析。小川氏は「“強い殺意”だけなら数回で済む。逆に、それを超えてくるとパニックになる。途中から分からなくなって、ずっと刺し続けたのではないか。110番通報したのは、我に返ってからでしょう。刺す前は異常な興奮にあったが、長男を殺したことで、『息子が小学校の子供に危害を加えるのではないか』という懸念がなくなって安心する。それで、我に返る…という感じなのかと」と解説した。

 同容疑者には情状酌量の余地はあるのだろうか。小川氏は「長男がどういう行動を起こそうとしたのか。ただ『(小学校に)行く』と言っただけなのか、包丁を手に持ったのか。亡くなられたが、そういう被害者の行動も熊澤容疑者の今後に大きく関係してくるでしょう」と予測した。

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