奈良のとんかつ店長が無料食堂を続ける理由 本音から生まれた奇抜アイデアの数々

鹿谷 亜希子 鹿谷 亜希子
とんかつ店「まるかつ」の金子友則店長
とんかつ店「まるかつ」の金子友則店長

 過去に店では「シートが濡れていてカバンが汚れた」などと因縁をつけて金銭を要求する詐欺被害にあいかけたことがある。これをきっかけに弁護士と相談して対応マニュアルとポスターを作成。WEB上で無料配布するなど、飲食以外でも「誰かのために」という姿勢にブレはない。

 「豪雪被害にあわれた北陸4県の方は、5月までに260名が来てくれました」といい、無料食堂も「これまでに20組ほどの人が利用してくれています」とのこと。奇抜なアイデアが先行しがちだが、子どもからお年寄りまであっさり食べてもらえるように、米油を使ってじっくり揚げるなど素材へのこだわりも強い。店内には静かなジャズが流れ、実際に話を聞くと思いのほか寡黙な印象。しっかりまじめなお店だ。

 店は9月12日で4周年を迎えた。北海道・旭川空港のある東神楽(ひがしかぐら)町とコラボした記念イベントでは、同町の食材を使った特別メニューの売り上げの一部を北海道地震の見舞金として寄付。その行動範囲は絶賛拡大中だ。

 「人生いろいろ、気分が落ち込んだときに笑顔になってもらえる店にしたい」

 何かと楽しめる金子店長のつぶやきは、ツイッターの公式アカウント「とんかつ屋まるかつ@奈良」で。ややすべり気味ながらついつい最後まで読んでしまう「カネコ店長より」は公式HPなどで読むことができる。今後のチャレンジからも目が離せそうにない。

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