小川氏は「身元が容易に分からず、犯罪歴がなく、接客業などでしゃべりが上手でコミュニケーションが取れる」というタイプとして、温泉街の仲居さんや元芸者の女性などが手配師のネットワークの中でスカウトされている現状を明かした。
今回、家主に成りすました羽毛田容疑者の報酬について、男性は一般的な相場として「1000万~2000万円」と推測。残りの50数億円の分け方として、小川氏は「主導した者が半分くらい。30億円くらい取っていたのではないか」と、逮捕状が出る直前にフィリピンに逃亡したカミンスカス容疑者の取り分を予測した。
そのカミンスカス容疑者について、元地面師の男性は「どんな案件にも顔を出す有名な地面師。見た目がまじめそうに見え、嘘とは思われない話術を持っているが、これまで手掛けた中で今回、初めてうまくいったのではないか」という。さらに「フィリピン人と結婚して離婚し、オーストラリア人と再婚したという話を聞いている。車はロールス・ロイス、服はルイ・ヴィトンやシャネルで1億円以上のものを身に着けていた」と証言した。
同容疑者の今後について、小川氏は「フィリピンと日本は犯罪者の引き渡し条約がないが、警察的にも友好な関係があるので、在留期間が過ぎれば、オーバーステイで現地警察に逮捕してもらい、日本に強制送還、機内で日本の領空に入ったら逮捕という流れが通常だが、フィリピンに必ず滞在しているとは限らない。フィリピンを経由し、他の国に逃亡している可能性もある」と解説した。