多頭飼育崩壊で保護された姉妹猫を家族に「2匹一緒にお迎えしてよかった」ぴったり寄り添う、かけがえのない存在に

渡辺 陽 渡辺 陽

奈良県で起こった多頭飼育崩壊

よるちゃんとふゆちゃん(1歳・メス)は姉妹猫。スコティッシュフォールドだ。2021年10月、奈良県の集合住宅で多頭飼育崩壊が起こり保護されたという。飼い主は決して猫が嫌いなわけではなかった。むしろ猫が好きだったのだが、面倒を見切れないため飼育環境は非衛生的で、保護団体にレスキューの依頼があった時、猫の数は21匹にもなっていた。不妊手術をした後、2匹を飼い主の元に返し、残る19匹を2つの団体が手分けして保護したという。

保護された猫は、生後6ヶ月〜2歳くらい。元飼い主の記憶が定かでないため、正確な年齢は分からないという。よるちゃんとふゆちゃんは、保護当時推定6ヶ月、体重は1.5kgくらいだった。

2匹一緒に迎えよう

大阪府に住むKさんは、2年くらい前から「猫を飼いたいね」と、夫と話していた。ペットショップに行ったこともあるが、猫を飼っている人や姉から保護猫の話を聞いて、ご縁があれば保護猫を迎えたいと思っていた。

「共働きで家を空けることが多かったので、なかなか実際に動き出せずにいました。でも、リモートワークで家にいることが多くなり、ちょうどその頃、譲渡サイトでよるとふゆを見つけたので、譲渡会に参加してみようということになったんです」

新型コロナウイルスの感染が広まったため譲渡会が延期され、Kさん宅でお見合いをすることになった。保護団体は姉妹で引き取ってくれる人を希望していた。

「ただ、猫を飼うのは初めてで、一度に2匹飼えるかどうか不安でした。でも、トライアルで我が家に来ると、よるとふゆがぴったり寄りそっていたので、一緒に迎えようと思いました」

二人揃って「おかえり〜」と言ってくれる

2022年2月13日、Kさんは、よるちゃんとふゆちゃんを正式譲渡してもらった。よるちゃんは、すんなり家に馴染んでくれた。ふゆちゃんは最初はソファの下に隠れたが、ひと月くらいすると警戒心が薄れていくのが分かったという。

「ふゆは、2ヶ月もするところんと寝転んで、お腹を見せるようになりました。姉妹一緒に迎えたので、初めての場所でも安心できたのだと思います」

今は、追いかけっこをしたり、互いにグルーミングしたりして仲良く暮らしているそうだ。

Kさんが帰宅すると、2匹揃ってドアの前で待っていてくれる。

「かけがえのない家族です。外出していても二人に会いたくて、すぐに帰りたくなります」

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