中島さんの独立後、2人は新たな夢の実現に動き始めた。それが、「天然ゴム製」のビーサンを作ることだ。羽戸さんによると、阪神・淡路の頃まではどの工場も天然ゴムで作っていたが、次第により安価な合成ゴムやエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)に取って代わったという。現在、羽戸さんの工場で作っているのも、鼻緒は天然ゴムだが、台は合成ゴム。「より自然な履き心地が楽しめる天然ゴム製をまたいつか作りたい」と思っていたところ、以前の神戸のつてで、天然ゴムの台を納入してもらえることになったという。試作を重ね、6月下旬には九十九から売り出せる見込みだ。値段は未定。
中島さんは「正真正銘の日本製、天然ゴム製のビーサンをようやく世に出すことができる。神戸発祥というメッセージも今まで以上に強く打ち出し、ブランド力を高めたい」と意気込んでいる。