もちもちフワフワ泡に包まれる魔法のシャワー!大震災で生まれた消火技術から誕生

広畑 千春 広畑 千春

 ただ、「火災の炎ではなく人に使ってもらえるものを作るノウハウはなかった」(モリタ宮田工業)といい、試行錯誤を繰り返した末、2017年の同展に試作品を参考出展。そこで泡シャワーを体験したニットーセラの担当者は「全く新しい入浴体験。介護にとどまらず、一般のお客様も、今までにないラグジュアリーな体験や幸せを感じて頂けると直感した」といい、2018年6月、共同プロジェクトを立ち上げた。

 集まったのはモリタの技術研究所長を始め、2社計8人のメンバー。ただ、「極上」の質を作り出すにはいくつものハードルがあった。消防車とは水の出方も違えば、ただ泡になるだけでなく、均質で継続的に出続けなければならない。泡を作る倍率を何通りも実験し、水の硬度も考慮して15、6種類のトリートメント剤を試作。肌に着く泡の感触が一番良いものを探し出した。簡単に設置でき、インテリア性も損なわないようにデザインも工夫。モニターテストを繰り返した。

 さらに、クラウドファンディング国内最大手の「マクアケ」と連携し、最初から市場に出すのではなく、出資を募りながら反応を探る手法を採用したところ、開始直後から介護・美容関係にとどまらず、さまざまな分野から問い合わせが相次いだという。

 「これまでは『消火』という特殊な分野だけだった技術が、一般の方にも価値あるものと認められ、お役に立てるのは純粋にうれしいし、今後の励みになります」とモリタ宮田工業の担当者。「介助や家事など、泡という技術を幅広く活用できれば」と意欲を燃やす。自らも実験台になって泡シャワーを試したというニットーセラの担当者も「価格にたがわないクオリティになったと感じています。本当にモリタさんと出会えて良かった。少しでも入浴の空間にゆとりを提供していきたい」と話す。

 クラウドファンディングは4月中旬に終了しましたが、間に合わなかった人も大丈夫。現在、商品製作と並行して事業化を進めているそうです。週末で、もう疲れも限界。早く極上体験、してみたい!!! あ、その前に貯金かな…。

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