譲渡、そして子猫の死
春に産まれ、順調に育った繭子ちゃん。生後9か月になった頃、もう1匹の子猫と一緒に平松家にお見合いにやって来た。先住猫のブランちゃんとの相性も良く、繭子ちゃんのほうが早く家になじめそうな感じがしたという。また、サビや黒猫はもらわれにくいため、平松さんは、繭子ちゃんのトライアルをスタートすることにしたという。名前は、繭子ちゃん改め、フランス語でグレーという意味のグリと名付けられた。
「グリ(元・繭子ちゃん)は、最初は先住猫のブランに威嚇されて緊張していたのですが、すぐに仲良くなりました。でも、我が家に来てから半年後に、原因不明のFIP(猫伝染性腹膜炎)にかかってしまったんです」
不妊手術をしたのが原因だったのかと、平松さんは悩んだ。懸命に治療したが、発病からわずか10日後、グリちゃんは約1歳で、この世を去った。
短い期間を共に過ごしたグリちゃんだが、平松さんの記憶にグリちゃんは深く刻まれている。