妊娠した野良猫が出産
ココちゃん(2歳・メス)は、野良猫が産んだ子猫だった。当時、名古屋市内に猫が過剰繁殖している現場があり、そこに1匹の妊娠猫がいた。たくさんの未不妊手術猫がいたため保護団体はTNRを緊急で先行実施したものの、その妊娠猫はどうしても捕獲できず、4匹の子猫を出産してしまった。
しばらくは母猫が人知れず子猫たちを育てていたが、そのうち子猫を連れて餌場付近に来るようになったため、子猫達の保護に着手。いちばん最初に保護した子猫がココちゃんだった。ココちゃんは保護当初から人をあまり怖がることがなかったという。
その後、その地域は「なごやかキャットサポーター活動」の見守り地域に。母猫は無事に避妊手術を終え、今は地域猫としてご飯やトイレのお世話をしてくれる住民さんたちにしっかり管理されて暮らしているそうだ。
ココちゃんを受け入れたのは、愛知県在住のIさん。猫が大好きで、愛護センターから譲り受けたキーちゃんという猫をすでに飼っていた。
「そろそろキーちゃんの遊び相手になってくれる子が欲しいなと思って、譲渡会に参加しました。保護団体の譲渡会は、愛護センターと違って子猫のトライアル期間があります。その期間で先住猫との相性も確認できるのが魅力でした」「保護団体は、猫エイズウイルスと猫白血病のウイルス検査をしているおり、先住猫がいても安心してお迎えできるのが大きなメリット。キーちゃんがあまり人懐っこくないので、デレデレな猫が良いと思っていました」と振り返る。
今では甘えん坊に
2021年7月18日、トライアルを経て、Iさんはココちゃんを迎えた。先住猫のキーちゃんがいたので、しばらくケージの中に入れて様子を見たが、ココちゃんはケージ越しに見えるキーちゃんに興味津々。元気いっぱいだったという。
「キーちゃんはココちゃんが気になってケージの前に行ったり、手を入れたり、たまにシャーっと軽く威嚇したりして興味津々でした。ココちゃんは最初ケージ内のトイレにこもり、キーちゃんがいなくなると外の様子を見るといった様子でした。3日目くらいから短時間だけ対面させ、徐々にケージ外の時間を増やしていきました」
ココちゃんは、とにかくわがままで自己中心的な甘えん坊だそう。
「キーちゃんのお気に入りの寝る場所やおもちゃを全て奪うし、私たちがキーちゃんと遊んでいても、気に食わない。必ずと言っていいほど間に入ってきます。よくゴロゴロ鳴いてスリスリしますし、撫でられるのも大好きですが、なぜか抱っこは大嫌いという天邪鬼でもあります」
Iさんは「キーちゃんに続き、ココちゃんを家族として迎え、私達は2倍の喜びと癒しを感じています」と話している。