具志堅用高氏は「ちょっちゅ」だけ 納豆混ぜる回数日本一は九州・沖縄男性のはずが…

北村 泰介 北村 泰介
納豆を「ちょっちゅ」だけかき混ぜて食べるという具志堅用高氏
納豆を「ちょっちゅ」だけかき混ぜて食べるという具志堅用高氏

 日本の国民食の一つとなっている納豆だが、混ぜる回数に地域差があるという。おかめ「納豆サイエンスラボ」が昨年10月に全国20~60代の男女1000人を対象に行った調査によると、「納豆を食べる時に混ぜる回数」は全国平均が25・98回なのに対し、「九州・沖縄の男性」が平均35・79回でダントツの最多。最少だった「東北の女性」(17・68回)の倍もあった。

 だが、その理由は分からないという。ならば実践あるのみ。最多エリアの代表として、沖縄が生んだボクシング界のレジェンド・具志堅用高氏(62)にかき混ぜてもらった。

 都内の白井・具志堅スポーツジム。会長として指導中の具志堅氏に、持参した納豆のパックを差し出した。ジムでまさかの納豆取材にも「その話、初めて聞いたよ。面白いねぇ」とノリノリだ。世界王座を13回防衛した左手首のスナップをいかし、目にも留まらぬ早さでかき混ぜるものと期待していた筆者はその時、目を疑った。

 具志堅氏は固まった納豆の周囲を箸で軽くほぐしただけで、粘り気のない豆の状態で口に運んだのだ。「僕は豆自体をかむんですよ。だからグルグル混ぜない。10回もいかない。7~8回。タレやカラシもかけない。しょうゆを“ちょっちゅ”だけ。大豆の味がしないからね。混ぜてご飯にかける人が多いけど、僕はご飯の上には乗せません。豆として、おかずって感じで食べる」。それが具志堅流の納豆哲学だった。

 「沖縄の人がそんなにたくさん混ぜるって初めて知ったなぁ。沖縄は時間がゆっくりだから、混ぜる時間があるのかもね」。具志堅氏はそう推測しつつ、「沖縄にいた時(高校卒業まで)、納豆を食べたことがなかった。売ってなかったですよ。東京に来てからだね。栄養があるからって、勝つために食べました」と振り返った。

 茨城県出身で、高校入学前に家族で東京に転居した香澄夫人にも話をうかがった。「私は納豆を70回混ぜます。栄養価が高くなるとテレビで聞きまして」。夫の約10倍だ。実際に70回混ぜてみた。泡立ちが強く白くクリーミーになり、スルスルと喉に滑り込む。まさに「納豆は飲み物」。うま味も増す。栄養成分について、タカノフーズは「混ぜる回数で成分量が増えるのではなく、味の伝わりが変わってくると推察しています」と説明した。

 全国納豆協同組合連合会(略称・納豆連)では、かつて「理想の混ぜる回数」を広報した時に納豆ファンからクレームが出たという。「公の組織が一つの手法がベストであるとするのはよくない」「混ぜない納豆こそ納豆食の美学である」「ご飯と一緒に混ぜるべき」「右に何回、左に何回など回数を規定する意味があるのか」…。

 納豆連は「多様な意見が散見されたため、弊会ではこれだ!という食べ方、混ぜ方を推奨しておりません。納豆を好きでいらっしゃる方々のロマンを否定することになってしまうという反省に基づいています」。納豆好きには十人十色のロマンがあり、混ぜる回数も千差万別。“マイ回数”で楽しめばいい。

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