後で調べると、老人ホーム紹介センターは有料老人ホームやサービス付高齢者住宅など、民間の老人ホームのみを紹介するところで、特養や老健など公的な施設の紹介は厚生労働省から禁止されていることを知りました。相談員が不機嫌になったのは民間の施設のみの案内になるのを知られたくなかったのかもしれません。
特養や老健など公的な施設は、原則要介護3以上の人が対象ですが、入居金が無料です。その分入所を待つ人が多く、数カ月から数年待つことも珍しくありません。一方、有料老人ホームなど民間の施設は要介護1から対象と、入居できる人の幅が広いですが、入居金が必要な上、公的な施設と比較して費用が高めなこともあり、特養と比べると入所を待つ人は少なめです。一般的に、特養と比べて月3~5万程度割高の民間の有料老人ホームを比較した場合、サービス内容にそれほど変化がないと言われています。
ですので、費用面を極力抑え今すぐ施設を探さなくていい場合は、選択肢は狭いですが公的な施設を紹介するケアマネージャーや役所がベストです。一方、若干割高であったり居住地域外であっても、今すぐ施設を探したい場合は、老人ホーム紹介センターを選択肢に加えるといいでしょう。
(2)本人や家族の意向を十分ヒアリングせず一方的に案内することも
私の知人は月額利用料をなるべく抑えたくて、特養か老健を希望し、ある紹介センターに相談しました。
すると、訪問してきた相談員は「特養は医療行為に制限があるので、将来的に胃ろうや点滴が必要になれば施設を変わる必要がある」と言ったそうです。
前述したとおり、老人ホーム紹介センターは特養を紹介できません。しかしそのことを相談員は説明していません。さらに、半分程度の特養では胃ろうや点滴といった医療的ケアをしていますが、事実と違う説明をした上、希望より5万円近く割高の民間の有料老人ホームを紹介したといいます。