「やりがいを感じている」割合は高いものの… 看護・介護・保育職の賃上げ額、一般会社員より「1万円以上」低く

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

政府は看護・介護・保育職の賃上げ方針を掲げていますが、その実態はどのようなものなのでしょうか。株式会社マイナビ(東京都千代田区)が実施した「エッセンシャルワーカー(看護・介護・保育)」に関する調査よると、エッセンシャルワーカーの具体的なベースアップ金額は、一般会社員と比較して「平均1万円以上」低いことがわかりました。一方で、エッセンシャルワーカーの6割強が、仕事に「充実感、やりがいを感じている」と回答し、こちらも一般会社員と大きな差がみられたそうです。

調査は、全国の20~50代の看護・介護・保育職各300人および一般会社員600人を対象として、2024年8月にインターネット上にて実施されました。

調査の結果、直近1年間に「賃金のベースアップがあった割合」はエッセンシャルワーカー全体(平均15.9%)と一般会社員(18.5%)で同程度となりました。

一方で、具体的な「ベースアップ金額」は、一般会社員が平均で「1万7689円」上がっているのに対し、エッセンシャルワーカーの平均は「6831円」と、金額に1万円以上の差がみられました。

また、「現在の年収に対する満足度」を100点満点で聞いたところ、エッセンシャルワーカー全体の平均は「49.4点」で、一般会社員の平均「56.0点」と比べて満足度が低い結果となり、これらの結果から、エッセンシャルワーカーの賃金ベースアップは少しずつ進んでいるものの、一般会社員よりも上がり幅が小さく、年収に対する不満がやや大きいことがうかがえました。

続いて、エッセンシャルワーカーと一般会社員それぞれに、「自身の働きに見合うと思う年収額」と「現実の年収額」を尋ねたところ、「働きに見合うと思う年収額」はエッセンシャルワーカーが平均「548万円」、一般会社員は平均「573万円」とほぼ同水準でした。

それに対し、「現実の年収額」では、エッセンシャルワーカーが平均「414万円」、一般会社員が平均「484万円」と、現在の平均の年収額では70万円の差がみられ、エッセンシャルワーカーが働きに見合うと思う年収額と実際の年収額の差は「130万円以上」あることが明らかとなりました。

最後に、現在の仕事に「充実感ややりがいを感じている」と答えた割合をみると、エッセンシャルワーカーが65.9%、一般会社員で47.0%と大きな差がみられました。これをエッセンシャルワーカーの業種別でみると「保育」(77.0%)が最も高く、次いで「看護」(62.3%)、「介護」(58.3%)が続いています。

なお、エッセンシャルワーカー(看護・介護・保育)が「現在の職種を志した年齢」では、特に「看護」と「保育」は10代のうちから志している割合が高くなっていることから、看護・保育職は現在の年収などの金銭的な不満・不安とは関係なく、仕事に対する充実感ややりがいを強く感じている傾向であることがわかりました。

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