田村さん宅にやってきた子猫は、最初から大物っぷりを発揮した。
「丸いキャリーバッグに入ってきたのですが、バッグの口を開けた途端、お腹を見せてぐーぐー眠り始めたんです。人見知りをほとんどしなくて、人懐っこい子でした」
田村さん夫妻は、空に旅立ったみかんくんが帰ってきたような気がしたという。
「身代わりというつもりはないんですけど、空にいるみかんとつながっていられる気がしました。だから、“そら”という名前にしたんです」
そらくんは、預かりボランティアの人が帰る時にも、「帰るの?」という感じだったが、素知らぬ顔だったという。
みかんくんが2歳で旅立ったので、そらくんが無事3歳になったら、新しい保護猫を家族として迎えようと話していた田村さん夫妻。その後、アメリちゃんとカヌレくんという保護猫を家族にした。そらくんは、2匹の猫のことを受け入れて、まるでお父さん猫のように世話をしたという。
「甘えん坊で一人っ子タイプだと思っていたのですが、意外と愛情深い面もありました」
いまは、3匹で賑やかに暮らしている。