アメリちゃんとカヌレちゃんは、飼育放棄された兄妹猫。動物愛護センターから神奈川県の登録ボランティアが引き出した。里親になった田村夫妻は、里親を募集している保護猫を探していたが縁がつながらず、あきらめかけていた頃、2匹を迎えることになった。
飼育放棄され、愛護センターに持ちこまれた2匹の子猫
神奈川県に住む田村さんは、3匹の猫と暮らしている。ブラック&ホワイトのロングコートの毛並みが美しいの保護猫「そらくん」とアメリちゃん、カヌレちゃん姉妹だ。
アメリちゃんとカヌレちゃんは、元の飼い主が飼育放棄して動物愛護センターに持ち込んだ子猫で、2017年4月に、県の登録ボランティアが引き出したという。
田村さんは、昔、メインクーンという猫種のみかんちゃんという猫を飼っていたのだが、急に心臓発作を起こして亡くなってしまった。みかんちゃんが2歳の時のことだった。
「みかんを2歳という若さで亡くした経験は、私達夫婦にとって、とても悲しいことでした。そらがみかんの歳を超えて3歳になれたら、新しい猫を迎えると決めていたんです」
里親になりたくても、なかなか縁がつながらなかった
ちょうどその頃、大きな家に引っ越したこともあり、新しい猫を迎える準備は、万端だった。
「里親募集サイトで猫を探して、少なくとも4匹くらいは問い合わせをしました。最初は1匹だけ迎えるつもりだったのですが、2匹一緒に引き取ってくれる人を優先されるなど、さまざまな理由で断られました」
田村さんは、「いまは、新しい家族を迎える時ではないのかも知れない」と思ったという。そんな時、いままで見たことがない里親募集サイトを開いたら、アメリちゃんとカヌレちゃんが寄り添っている写真が目に飛び込んできた。
「2匹は、ぴったり寄り添っていました。そらも加わって3匹一緒に仲良く暮らしている光景が浮かんできて、次に来る子はこの子たちなのかもしれないと思い応募したのです。それまでどんなに希望しても縁がつながらなかったのに、トントン拍子で話が進みました」
お兄さん猫そらくんと兄妹猫
2017年4月29日に田村家にやってきたアメリちゃんとカヌレちゃん。家に着いてもまったく怖がることがなく元気いっぱい、いろんなところを探検し始めた。そらくんにも「遊ぼう、遊ぼう」と近づいたが、そらくんのほうは、「なんだろう?なんか知らない子がいる」と最初は少しとまどったようだったという。
「少しずつ交流させたら、そらが2匹の横で眠ったり、グルーミングをしてあげたりするように。そらは3歳だったのですが、お兄ちゃんっぷりを発揮して、ちょっといたずらが過ぎると首根っこをくわえて運んでいることもありました」
アメリとカヌレちゃんの仲がいいので、そらくんには飼い主さんを独占できる特典もある。
「2匹はそらにグルーミングしてもらうのが大好きなんですが、気持ちよくなってきた頃合いに、そばを離れて私たちのところにやってきます」