関西では京阪が先行導入
17年8月から座席指定の特急車両「プレミアムカー」を運行する、京阪電気鉄道の広報担当者に現状を聞きました。
京阪のプレミアムカーは、8両編成のうち1車両のみが有料座席で、横1列に通路を挟んで2席と1席が並びます。運行本数は、淀屋橋-出町柳間の平日105本、土休日118本。座席料金(乗車券別)は区間によって400円または500円。乗車率は平日6割、土休日は8割、平均すると7割をキープしているそうです。さらに20年度中には、6車両を新造し全ての特急列車に導入することも発表。順調なことがうかがえます。
「ゆったりとワンランク上の旅を」のコンセプトを実現すべく、「足元空間に可能な限り余裕を持たせた」(担当者)。前後の座席との間隔は、同社の通常車両が920mmであるのに対し、プレミアムカーは1020mm、シートの座面は、通常幅430mmに対し、プレミアムは460mm。“京阪初”というリクライニングは、通常の角度から20度傾けることが可能。無料Wi-Fiを完備し、携帯充電器やブランケットの貸し出しも。常駐の専属アテンダントがプレミアムカーの乗客に応接します。
同時期に全車両が座席指定の「ライナー」列車も導入。座席料金(乗車券別)は300円または380円。当初の運行は、朝の通勤時間帯の2本でしたが、利用状況が好調なため帰宅ラッシュの時間帯にも対応。現在は平日の朝夜計5本、淀屋橋(一部は樟葉、枚方市発)と出町柳間を運行中です。
ライナー列車の平均乗車率は4割程度。ラッシュ時には有料座席が満席になることもあるそうです。有料座席が導入されたことによる他車両の過度な混雑については「聞いておりません」と担当者。「そのあたりはしっかり検証した上で導入しています」。
同社の座席指定に共通するのは「ネット予約が可能」であること。プレミアムカーの場合、乗車日の14日前の午前10時から申し込み可能。事前に座席の空き具合が確認できるネット予約は、横並びや近くの席に座りたいというグループ客に好評といいます。「インターネットを使わないお客様には、駅窓口でも販売します」
Aシートを導入する運転区間や運転時刻については、JR西は「今後詰めたい」としています。首都圏のユーザーが驚く通勤電車としての新快速。早くて快適。そして有料シートのニーズにも応えてほしいですね。