JR西日本は8月22日、有料座席サービス「快速 うれしート」のサービス拡大を発表しました。実施日は10月14日です。
このニュースで注目されたのは、ロングシートの「快速 うれしート」が登場することです。ロングシートの有料座席は全国的にも珍しい存在です。関西にある他の鉄道会社では、ロングシートの有料座席はあるのでしょうか。
まさかの有料のロングシートが誕生
「快速 うれしート」は2023年10月に始まった有料座席サービスです。主にラッシュ時に走る一部の快速列車が対象となり、1車両のうち部分的に有料エリアに設定。有料エリアの座席は指定席となり、指定席券を持っている利用者だけが着席できます。指定席券の料金は、「[快速 うれしート]チケットレス指定席券」購入であれば300円です。
有料エリアと非有料エリアの間には、暖簾が設置されています。9月現在、「快速 うれしート」の設定車両の座席配置は、転換クロスシートです。
10月14日から、学研都市線、JR東西線、阪和線に「快速 うれしート」が新規設定されます。また、JR京都線、JR神戸線、山陽本線、琵琶湖線、嵯峨野線、JR宝塚線で「快速 うれしート」の本数が増えます。
ここで注目すべきは、学研都市線、JR東西線への「快速 うれしート」の設定です。現在、学研都市線、JR東西線を走る電車は全てオールロングシート車ですから、「快速 うれしート」がロングシートに設置されることになります。つまり、ロングシートの有料座席が登場するというわけです。
なお、学研都市線、JR東西線の快速は種別を変えずJR宝塚線に乗り入れるため、JR宝塚線でもロングシートの「快速 うれしート」に乗れます。
ロングシートの有料座席がある私鉄は?
ロングシートの有料座席は、大変珍しいです。9月現在、オールロングシートの車内で特別料金が必要な列車として、富山地方鉄道の特急が挙げられます。一方、関西には存在しません。
次に、「一部」であれば、有料のロングシートは存在します。それが、京阪電気鉄道が運行する「ライナー」です。
「ライナー」は京阪本線・鴨東線を走る全車指定席の列車で、平日ラッシュ時と夜間に設定されています。乗車には乗車券の他に「ライナー券」が必要です。「ライナー」に使用する車両は8000系です。8000系は「プレミアムカー」を除くと、転換クロスシートを基本としていますが、車端部にロングシートがあります。
このロングシートも、座席指定の対象となり、着席には「ライナー券」が必要です。8000系のロングシートは、転換クロスシートの座席と遜色はなく、「日本一豪華なロングシート」という声も。そのせいか、8000系「ライナー」は沿線住民や鉄道ファンに受け入れられているように感じます。
10月14日からの、学研都市線、JR東西線の「快速 うれしート」に対する反応はどのようなものなのでしょうか。