へその緒ついたまま氷雨に濡れていた三毛猫 保護されて手に入れた幸せな日常

渡辺 陽 渡辺 陽

 「眼を開きかけた時の顔が芸人の間寛平さんにそっくりで、でも、女の子なんで寛平はどうかと。だから、カンコと名付けたんです。あんなところに捨てられていたのに、元気いっぱい!あっという間にミルクをゴクゴクと飲み干しました。生命力あふれる感じだったんです」

 カンコちゃんを保護した後、一生懸命里親を探した高山さんだが、小さな命を育むうちにだんだん愛情がわいてきた。

 「誰かに譲ったとして、でも、本当にちゃんと育ててくれるだろうか。そう思うと心配になってきて、最終的にはうちで飼うことにしたんです。妹の猫アレルギーも、なぜかカンコは大丈夫でした」

遠慮なく甘えられるように

 相性が心配だったという愛犬マロンちゃんは、当時推定11歳。最初からカンコちゃんの世話をよくしたという。

 「最初は、大丈夫かなと心配したんですが、マロンはカンコに寄り添ったり、カンコに耳を噛まれると吠えて首根っこを噛んで教育したりして、まるでお母さんのように接していました。カンコのほうがマロンより大きくなると、カンコの方からくっつくようになりました」

 マロンちゃんは2018年10月に亡くなってしまったが、カンコちゃんは、以前より甘えん坊になったそうだ。

 「前は人に甘えると、マロンがやきもちを妬いて怒っていたんですが、マロンがいなくなったので、人にスリスリしたり、布団に入ったりしてくるようになったんです」

 カンコちゃん6歳、人間の愛を一身に受けて幸せな毎日を送っている。

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