体操の内村航平選手や安倍晋三首相が「好物」と公表したことでも話題になった、あの「ブラックサンダー」に“しょうゆ味”が期間限定で誕生したという。さっそく販売されている東京駅で試食し、この機会に同商品のエピソードを聞いた。
ブラックサンダーとは有楽製菓(本社・東京)の準チョコレート菓子。同社によると、1994年に発売されたものの、しばらくは販売が奮わず、一時販売休止に。その後は九州や関西の一部で再販されていた。2006年頃、ベストセラーになった「生協の白石さん」の元となったブログに掲載されたことを機に、全国的な知名度を獲得したという。
内村選手の「好物」として報じられたことも売り上げを後押しした。同社マーケティング部の担当者は「08年北京五輪の時には2か月分の在庫が1週間でなくなりました」と“内村効果”を明かす。
また、17年10月、衆院選の選挙速報番組での一口プロフィールで「ブラックサンダーが大好き」と紹介された安倍首相だが、きっかけは製造工場のある愛知県豊橋市で演説した際に同商品をアピールしたことだという。その後もフェイスブックで新幹線の車中でブラックサンダーを食べる姿を公開している。
昨年秋には歌舞伎俳優の11代目市川海老蔵とコラボした「海老蔵サンダー」(希望小売価格40円)も販売された。通常のブラックサンダーは同30円。その駄菓子的な安さと五輪金メダリストや首相らVIPたちに支持される点にギャップを感じる人がいるかもしれないが、チョコレートでコーティングされたココア風味のクランチは腹持ちがよく、そこに値段とは関係なく万人にウケる魅力がある。
同社では昨年まで東京駅一番街「東京おかしランド」でバレンタインデーにちなんだ「義理チョコショップ」を期間限定で展開してきたが、今年は初の土産専門店「ブラックサンダーお土産ショップ」を1月25日まで同所で展開中。イチオシ商品が「雷神風濃口しょうゆ味」。18袋入りの箱詰めで「東京土産」として一番人気だ。