-この10銭硬貨は、どのように発見されたのですか。
「1月20日のお昼ごろ、母親が自宅近所のコンビニで396円の買い物をした際のお釣りです。400円出して4円をお釣りにもらったとき、1円硬貨として手元に来たのではないかと思います。その後、また別のお店に買い物に出かけ、セルフレジで硬貨を投入したところ、使えず弾かれたため、発見に至りました」
-10銭硬貨は、現在使えない硬貨です。損した気持ちになりませんでしたか。
「以前からこうした珍しいことがあると喜ぶ一家でしたので、損得を抜きにして、どうやって自分たちの手元まで流れ着いたのかな、とワクワクしました。母親とは、よくぞ戦後と昭和、そして平成を生き抜いてきたな、と話しました。ずっと人の手を渡ってきたものか、どこかに死蔵されていたものがヒョイと出てきただけのものなのか、どちらかはわかりませんが…」
-発見されたことをツイッターで紹介されようと思ったのはなぜですか。
「もともと僕の友人が古いものが好きだったり、レトロや昭和の物に敏感なので、身内で楽しめたらな、という程度で気軽に投稿したところ、たくさんリツイートされてえらいことになりました(笑)」
-それにしても、大変なリツイートと「いいね」の数です。
「ここまで古い硬貨だと、もはや異国か架空のものに見えてきて、真新しく目に映ったのだろうと思いました。『貨幣の単純な価値より、長い歴史の重みがある』という意味の投稿をしましたが、それに共鳴していただける方もおり、なんだか嬉しかったです。昔から『物には魂が宿る』といいますが、まだそういう文化は消えてないんだなって、安心もしました(笑)」
-「てん」さんの投稿に触発されて、多くの方々がそれぞれお持ちの古銭をリプライ欄で紹介されているのが印象的です。
「古銭披露大会みたいになり、大変興味深かったです。古美術のお店や博物館などに行かないと見られないような品々がまさにザックザクと出てきました。僕自身も感化されまして、どこか足を運んで実物を見てみたいと思いました」
-今回見つけられた10銭硬貨を、「てん」さんはどのようにされる予定ですか。
「母親とは、このあと使わずに保存することになっても、大切にしようと話していました。たかが10銭されど10銭、今後はうち一家のお守りとして硬貨人生を終えさせてあげたいと思っています」
多くの人たちにツイートが広がっていく様子を、友人のお母さんから「平成最後のわらしべ長者みたい」ともいわれたそう。ツイッター上で多くの人との出会いがあったことなどから、「(この10銭硬貨は)僕には10銭以上の価値があります」と「てん」さんは語ります。いえいえ、きっとその価値、億万長者級です!