イチローも通った神戸のお好み焼き店 再開発にも負けずに営業中 “名物”も健在

北村 泰介 北村 泰介
イチローとのツーショットを手にする初代店主の故・小林あや子さん(2004年撮影)。この写真は今も店内に飾られている
イチローとのツーショットを手にする初代店主の故・小林あや子さん(2004年撮影)。この写真は今も店内に飾られている

 あや子さんは07年に死去。現在は2代目の曽我部さと子さん、3代目の園部周(ちか)子さんの2人で店を切り盛りしている。ともにベレー帽をかぶる。母である2代目が赤なのに対し、3代目は白。紅白競演?周子さんは「私のは油よけですから」と笑った。

 海苔巻焼きを卵入り(税込550円)で注文した。さと子さんが焼いたお好み焼きを、周子さんが鉄板に置いた海苔に乗せ、コテでクルリと巻いて寿司の海苔巻きと同じ大きさに切る連係プレーだ。

 さと子さんから「これがお勧め」と差し出された泥ソースをかけた。ピリッとした辛さと鼻に抜ける海苔の香りを楽しみ、神戸ならではのドリンク「アップル」(という名称の黄色いミカン水)の甘さで中和させながら胃袋に流し込んだ。

 創業74年の歴史において、海苔巻きはいつ頃から出しているのか。周子さんは「昭和25年から30年の間くらいと聞いています」と説明。60年以上になる。

 海苔巻きだけでなく、メニューは豊富。「タコ、イカ、豚肉などが入ったチャンポンそば、すじ焼きなども人気です」。周子さんは鮮やかな手つきでコテを動かす。「やれるところまでやります」。終戦の年に誕生し、戦後の昭和、平成を経て、新たな時代まで暖簾(のれん)を守る。

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