「最近白内障のせいで、目が白くなってきました…」
そうおっしゃって眼科を受診する患者さんがよくいます。ですが気にされているその白いものは、白内障ではないことがほとんど。今回は眼科医がよく外来診療中に経験する「あるある」をお話したいと思います。
ちなみに白内障がかなり進行すると、茶目の中央にある黒目の部分に肉眼で白内障が見えることもあります。とはいえかなり熟成しないと普通はまず見えないものですし、そもそもそこまで白内障が進んでいたら自分で自分の目を見ることすらできない状態のはずです。
患者さんが「白くなってきた」とおっしゃるものは、黒目のふちの部分にある白い輪のような濁りのことがほとんど。これは白内障ではありません!このリング状の濁りは、年齢にともなってでてくる変化・・・その名も「老人環(ろうじんかん)」と呼ばれるものです。脂肪の沈着によるものと言われていて、高齢になるとみなさん出てくるものです。