京都を訪れる外国人観光客を湖国に呼び込もうと、滋賀県は本年度、京都市内に初めて観光案内拠点を設ける。JR京都駅(下京区)周辺の案内ブースの一角を借り、琵琶湖や彦根城、スキーなど滋賀ならではの観光資源を売り込む。先に東京・日本橋に開設した県の情報発信拠点「ここ滋賀」ならぬ「そこ滋賀」とでも呼べる京滋の距離の近さをアピールする。
JRを使えば約10分で湖国入り―。観光客にあまり知られていない交通の利便性を生かし、京都駅近くで外国人への観光案内を手掛ける民間業者に湖国を紹介する担当者を置いてもらう計画で、今夏の開設を目指し委託先の選定を急ぐ。
県はこれまで認知度向上のため海外での宣伝に力を入れてきたが、「すぐそこ(京都)まで来ている外国人に足を延ばしてもらおう」と、オーバーツーリズム(観光客の過度な集中)が問題化している京都から誘客を図ることにした。
事業費は約500万円。ブースではポスターや映像で滋賀の魅力を発信するとともに、「外国人観光客の関心が高い」というスキーや城、温泉などで京都との違いを強調する。
京都での誘客は、大津市が2012~13年に東山区の京阪電鉄三条駅構内に案内所を設けたが、季節によって利用者数に大きな変動があったため、現在はイベントに合わせた臨時開設に切り替えている。
県観光交流局は「滋賀のエゴを出し、京都、大阪の次の選択肢としてしっかりプロモーションしたい。2、3年やってニーズや効果を見たい」としている。