-本書の下巻の帯の裏面にトランプ政権の内幕を綴ったマイケル・ウォルフ著「炎と怒り」の広告を載せていらっしゃいますね。これは本書にはクリントン氏が現政権への何らかのメッセージを込めて書かれているということを示唆してらっしゃるようにも見受けられます。
「本書には、トランプ大統領に対するある種のあてこすりとも読み解くことができます。小説内の大統領は真摯で、高潔で、正義感に溢れていますから。大統領の仕事を舐めるなというクリントンからトランプへのメッセージなのではと考えたくなります。クリントン夫妻は、トランプの不法な手段によって選挙で敗北したと思っているので、色々深読みしたくなる描写が多く出てきます」
-最後の質問です。本書をご担当するにあたって、編集者として最も喜びを感じたことを教えてください。
「やはり本を発売してすぐに各所から絶賛の声が上がったのは嬉しかったですね。とくにSNSではすでに熱い感想が多く上がっています。普通は書評が出るまでに最低でも一カ月はかかりますから。それだけ期待されていたんだと思います。エンタテインメントとしての完成度の高さは言うまでもなく、リーダーシップや政治、メディア論に興味のある方にも、ぜひ手にとっていただきたいですね。いろんな読み方が楽しめる本です」