肺癌(がん)は、組織により様々なタイプがあり、治療方針、予後も変わってきます。大きくわけると非小細胞癌と小細胞癌に分類されます。
非小細胞癌には、腺癌(約40%)、扁平上皮癌(約30%)、大細胞癌(約5%)があります。非小細胞癌は、早期なら外科治療が施行され、小細胞癌には化学療法、放射線療法が施行され、基本的に手術となることはありません。対して、非小細胞癌は化学療法、放射線療法の有効性は低いとされています。
喫煙は最も重要な危険因子であり、扁平上皮癌、小細胞癌での関連が強いとされています。非喫煙者に比べて喫煙者が肺癌になるリスクは、男性では4・4倍、女性では2・8倍ほど高く、授動喫煙でも1・3倍リスクが増悪するようです。その他の危険因子として、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、アスベスト(石綿)、ラドン、ヒ素などが考えられています。
悪性腫瘍の中で、男性は肺癌による死亡率が最も高く、女性では大腸癌に次いで2位となっており、男性の方が、肺癌死亡率が高いのが現状です。症状としては、咳嗽(がいそう)、喀痰(かくたん)、血痰、喀血、喘鳴、無気肺、閉塞性肺炎などがありますが、部位によっては早期には症状がない場合が多く、進行して周囲臓器へ浸潤すると症状が認められることがあります。癌の進行とは無関係に生じる症状もあり、癌が産生するホルモン、自己抗体が原因となり、内分泌異常、神経、筋症状などが見られことがあります。小細胞癌でよく見受けられます。