最近、O-157(腸管出血性大腸菌)による食中毒の事件が、マスコミを通じて取り上げられていますね。最近も40代の男性がO-157によって亡くなられたとの報道を見ました。
食中毒の原因の多くは、カンピロバクター、サルモネラなどの細菌やノロなどのウィルスにより引き起こされますが、事前に加熱処理を加えることにより、無毒化することができます。
しかし、例外もあります。ブドウ球菌などから排出されるエンテロトキシンと言われる外毒素は熱に強く、100度の加熱をしても毒素の効力は失われません。加熱するとブドウ球菌は死滅しますが、外毒素だけが残存してしまうのです。他にも、セレウス菌やウェルッシュ菌など、加熱しても死滅しない特殊な菌は存在します。
ただ“救い”は、これらの菌や毒素によって食中毒を起こしたとしても、多くの人は問題なく回復され、比較的短期間で元気になることが多いんです。O-157も加熱により、殺菌が可能であるので、食べ物を加熱処理すれば感染のリスクがかなり少なくなります。75℃の高温、1分間で菌が死滅します。ただし、加熱処理ができない生野菜や冷菜、御惣菜などに付着した場合、話は違ってきます。