警視庁捜査1課が今年1月下旬にツイッターのアカウントを開設し、未解決事件に関する情報を中心にツイートを続けている。
「警視庁刑事部捜査第一課(@MPD_sousa1)」のアカウント開設は1月23日。当初、公式認証のマークが付いていないことを理由に“なりすまし”を疑うコメントも投稿されたが、警視庁の広報担当者は本紙の取材に「本物です。アカウント開設後に公式認証されるため、タイムラグが生じたためです」と説明した。
捜査1課は2012年に東京・六本木のクラブで男性客が金属バット等で殺害された事件で、国際手配されている見立真一容疑者(39)の情報を開設日に投稿。2月1日には、00年の大みそかに発覚した「世田谷一家4人強盗殺人事件」について「遺留品のヒップバッグやマフラーなどに関する情報を求めています」と呼びかけた。
6日には、09年2月に東京・東上野のマンション内で起きた殺人事件の容疑者として指名手配されている中国国籍の男女2人について投稿。出生地である内モンゴル自治区に帰国した情報があるとして、現地語で書かれた手配書も公開した。
元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は「海外では警察の捜査にツイッターを利用しています」と指摘し、昨年7月に英バーミンガムで、容疑者の男が乗り捨てた自転車で警官が追跡して身柄を取り押さえた案件を例に挙げた。警察がその一部始終を撮影した動画をツイッターに投稿し、コメント欄には称賛の声が上がったという。
SNSを使った警察の広報的な効果と共に、小川氏は「事件の風化を防ぐのはもちろんのこと、情報収集の意味合いもあります。(捜査1課は)事件に直接関わる情報の内容であればダイレクトメールも広く募るとのことです」と補足した。
現時点でコメント欄には事件の感想やネット上での噂の引用などが目立つが、手がかりになり得る確度の高い情報は第三者に閲覧できないダイレクトメールの機能を使って直接やり取りできる。迷宮入りかと思われている平成の難事件が、SNSを使って解明される日が来るか、注目だ。