妊娠した交際女性を殺害した容疑者逮捕、自殺偽装は「計画的」小川泰平氏が指摘、既婚隠して婚活パーティー

小川 泰平 小川 泰平

 既婚者でありながら婚活パーティーで出会ったシングルマザーと交際し、妊娠した女性を自殺と偽装して殺害した事件があった。3月の事件発生から4か月後、埼玉県草加市の会社員・高橋剣容疑者(43)が殺人容疑で警視庁捜査1課に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は当サイトの取材に対し、「突発的ではなく、計画的な犯行」と指摘した。

 逮捕容疑は今年3月12日未明、東京都練馬区内のマンションの一室で、この部屋の住人で会社員の成田のぞみさん(37)の首を圧迫するなどして窒息死させた殺人の疑い。のぞみさんと2人暮らしだった8歳になる小学生の長女が第1発見者となり、高橋容疑者に連絡。同容疑者はこの時点で、マンションから約2キロ離れたインターネットカフェに滞在しており、長女の連絡を受けて現場に向かいながら119番通報。警察官には「自殺していた」と説明していたという。

 のぞみさんは洗面所で首にひもが巻かれた状態で倒れており、警察は当初「自殺と他殺の両面」で調べていたが、首にきつく締められたような痕があり、防犯カメラなどの検証で高橋容疑者の偽証が判明するなどしたため、捜査1課では殺人事件として捜査し、7月7日に同容疑者を逮捕した。同課では、高橋容疑者が自殺を偽装したとみており、同容疑者も取り調べに対して「用意したロープで首を絞めて殺した」と容疑を認めているという。

 高橋容疑者は2014年に別の女性と結婚していたが、17年に婚活パーティーに参加してのぞみさんと出会い、翌年から交際を開始。スマートフォンを解析した被害者とのSNS等でのやりとりでは自分が既婚者であることに触れた痕跡はなく、別の女性との婚姻関係も続いていた。

 のぞみさんは妊娠した状態で殺害されており、警察による司法解剖でのDNA鑑定では高橋容疑者との子どもである可能性が高いという。同課ではのぞみさんと結婚をめぐって何らかのトラブルがあったなど、背景や殺害の動機を調べている。

 小川氏は「事件から逮捕まで4か月を要しましたが、それだけ警察が慎重に捜査を進めてきたということでしょう。発生当初は『自殺』といわれていたが、翌日には捜査員が多く現場に入って鑑識活動をしており、その時点から『事件性が高い』として捜査に着手していたと思われます。突発的な犯行なら、自殺を装うような行動は考えにくく、計画的に考えた犯行であると思われます」と指摘した。

 事件の状況について、小川氏は「小学生の娘さんが寝静まった後、被害者の女性が寝ている状態で絞殺し、自殺と思われる状態で見つかるような形に偽装して、部屋から立ち去り、インターネットカフェに午前3時59分に入店している」と説明した。

 その上で、同氏は「母親の様子がおかしいと、娘さんが容疑者に連絡するなど、今も母子と親しく付き合いがあったことがうかがえます。被害者が妊娠していた子どもは高橋容疑者との間にもうけた可能性が強く、DNA鑑定もされているので間違いはないと思います。妊娠や結婚を巡ってトラブルがあったかなど、慎重に捜査が進められていくでしょう」と説明した。

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