警戒心が強く、集中力も長続きしなかったというキキ君。オヤツへの執着もそれほどなかったため、トレーニングには少し時間が掛かりましたが、Tさんは根気強くキキ君と向き合い、16年12月、晴れて認定試験に合格することができました。
17年から活動を始め、今では病院、高齢者施設、保育園、小学校など、どんな施設にでも行けると言います。PFLJの募金活動にも参加しますし、大阪市内の百貨店で開催されたイベントに“出演”したことも。ドクタードッグとしてだけでなく、PFLJへの支援を呼びかける“PR犬”の役割も担っているのです。
「表情のあまりなかったお年寄りが、キキをなでながらニコニコされていたり、子どもたちが喜んでいる姿を見ると、やっぱりうれしいですよね。お役に立てているのかなと。保護犬を迎えてゴールじゃない。新しい世界へキキが連れて行ってくれています」(Tさん)
PFLJからはこれまでに約80頭のドクタードッグが誕生していますが、そのうち1割程度が元保護犬とのこと。最近は比率が増えているそうです。
「施設を訪問したり募金活動をしていると、“こんなにお利口な子が元保護犬なの?”と驚かれることがあります。保護犬に目を向けてもらうきっかけにキキがなれているのであればうれしいです」(Tさん)
ドクタードッグは飼い主と愛犬が一緒に参加できるボランティア活動。キキ君たちの訪問を心待ちにしている人たちがたくさんいます。キキ君、これからもみんなを笑顔にしてね!