厚生労働省は8月28日、インフルエンザが全国的な流行シーズンに入ったと発表しました。8月17〜23日の1週間に全国の定点医療機関から報告された患者数が、1医療機関あたり1.11人となり、流行開始の目安である1人を超えたためです。昨シーズンより1カ月以上早く、過去2番目に早い流行入りとなりました。
共働きで小学生の子どもを育てる30代のAさんは、ニュースを見て予防接種の時期を迷っています。去年は、予防接種を早めに打てば安心だと考え、10月上旬に家族全員で接種しました。ところが年が明けた2月、Aさんと子どもが立て続けにインフルエンザにかかってしまったのです。
打ったのに意味がなかったのでは、という思いが残るAさんにとって、今年の早い流行入りはかえって判断を難しくしています。
インフルエンザワクチンはいつ打つのがよいのでしょうか。たけうちファミリークリニックの竹内雄毅(たけうち・ゆうき)医師に話を聞きました。
流行開始が早い年は、早めの接種を
ーワクチンを接種していても、冬の流行期にインフルエンザにかかることがあるのはなぜですか?
インフルエンザワクチンは、「接種すれば絶対にかからない」というものではありません。
接種後、十分な免疫ができるまでにおよそ2週間かかり、その後の予防効果はおおむね5カ月程度が一つの目安です。時間の経過とともに、徐々に予防効果は低下していきます。
また、その年に実際に流行するウイルスとワクチン株との違いや、年齢、体調などによっても予防効果には差があります。
そのためワクチンを接種していても発症することはありますが、発症を減らすだけでなく、重症化や入院を防ぐこともワクチンの大切な役割です。
ー2026年は流行入りが例年より早くなっていますが、いつごろ接種するのがいいですか?
今年は例年よりかなり早くインフルエンザの流行入りが発表されていますので、 例年より早めの接種を検討してよいと考えます。
ただし、「流行入りが早かったから、今後の流行のピークも必ず早い」とは限りません。
とはいえ、接種後に効果が期待できるまで約2週間かかることを考えると、流行がすでに始まっている地域では、接種可能になり次第、10月中の早い時期に接種するのが現実的です。
冬の本格的な流行まで待つのではなく、地域の流行状況も見ながら接種することをおすすめします。
ー子どもの場合、流行が早い年はいつごろ接種するのがいいですか?
13歳未満の子どもが注射の不活化インフルエンザワクチンを受ける場合、日本では原則2回接種です。
2回の接種間隔は2〜4週間で、4週間程度あけるのが標準的な目安ですが、流行状況や予定などに応じて、2週間以上あければ2回目を接種することができます。
なお、2歳以上19歳未満で使用できる、鼻に噴霧するタイプの経鼻ワクチン(フルミスト)は、基本的にシーズン1回の接種です。
注射のワクチンを2回受ける場合、 今年のように流行開始が早い年は、2回目までの期間を逆算し、1回目を10月前半には受けておくとよいでしょう。例えば10月上旬に1回目、11月上旬に2回目というスケジュールです。
◆竹内雄毅(たけうちゆうき) たけうちファミリークリニック院長
京都府立医科大学卒業。たけうちファミリークリニック院長として、地域の子どもから大人まで幅広く診療にあたる。 医学博士(京都府立医科大学)、京都府立医科大学小児外科客員講師。日本小児外科学会小児外科専門医、日本外科学会外科専門医。
▽たけうちファミリークリニック
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