地方都市で一人暮らしをしている52歳の会社員・小野ともこさん(仮名)。結婚歴はなく、両親はすでに亡くなっています。遠方で暮らす兄が一人いますが、普段から頻繁に連絡を取る関係ではありません。
先日、同年代の友人が急に入院し、家族が入院中の手続きや退院後の生活について病院とやり取りしている様子を知りました。それをきっかけに、「もし自分が急に入院したら、誰に相談すればいいのだろう」と考えるようになりました。入院や介護が必要になった場合を考えると、身近に頼れる家族がいないのが気がかりです。
急に入院したときや、退院後の生活に支援が必要になったとき、さらに将来介護が必要になったとき、頼れる家族が身近にいない人はどこに相談すればよいのでしょうか。場面ごとの最初の相談先を整理します。
頼れる家族がいない人が困ったときの相談先
困ったときの相談先は、状況によって異なります。最初から制度や窓口をすべて把握しておく必要はありませんが、どこから相談を始められるのかを知っておくとよいでしょう。
◆入院したときは病院内の相談先を確認
入院中の生活や退院後の暮らしについて不安がある場合は、病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談できる場合があります。医療ソーシャルワーカーは、患者や家族の生活上の不安について相談を受け、必要に応じて地域の支援機関などにつなぐ役割を担っています。
◆退院後の生活など、地域での困りごとは自治体や社会福祉協議会へ
自治体によって、福祉に関する相談を受け付ける窓口の名称や担当部署は異なります。どこに相談すればよいか分からない場合は、まず市区町村の代表窓口などに問い合わせ、相談内容に応じた担当窓口を確認する方法があります。
市区町村の窓口とは別の相談先として、地域の社会福祉協議会に問い合わせる方法もあります。社会福祉協議会とは、地域の福祉活動や相談支援などを担う団体です。生活上の困りごとについて相談できる場合があります。
相談できる内容や取り組みは地域によって異なるため、詳しくは地域の社会福祉協議会に問い合わせてみましょう。
◆将来、介護が必要になった場合は地域包括支援センターも
将来、介護が必要になった場合は、地域包括支援センターも相談先になります。地域包括支援センターとは、市区町村が設置する高齢者の介護や生活などに関する総合相談窓口です。
地域包括支援センターがどこに設置されているのかは、地域ごとに異なります。市区町村の窓口で、自分が住んでいる地域を担当するセンターを確認してください。また、厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索」からも、地域包括支援センターを探せます。
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小野さんは、友人の入院をきっかけに調べる中で、入院時には病院の相談窓口や医療ソーシャルワーカー、退院後の生活に困ったときには自治体や社会福祉協議会、将来介護が必要になった場合には地域包括支援センターなど、状況に応じた相談先があることを知りました。
一人暮らしで身近に頼れる家族がいなくても、困りごとが生じたときに相談できる窓口はあります。元気なうちに、自分の住む地域でどこから相談を始められるのか、確認しておくとよいでしょう。
【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士 身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症Ⅱ型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。