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「私が作ったの、どう?」重い障がいがある姉の「初めてのご飯」を一緒に作ったきょうだい 「できないと決めずに挑戦していきたい」

五ヶ瀬 あお 五ヶ瀬 あお

生まれつき重い障がいのある長女・こころちゃん、11歳(愛称:ここちゃん)。ここちゃんには9歳の弟(都色くん)、7歳の妹(ひかりちゃん)、5歳の弟(未来くん)がいます。4人の子どもを育てるママが投稿した、ここちゃんとそのきょうだいの心温まるエピソードが、Instagramで反響を呼びました。

ここちゃんの病気は、「13番染色体部分欠損症」といって、世界でも30症例しかいないほど、まれな病気です。心疾患や難聴があり、目は右目のみ光を感じられる程度という合併症を抱えています。

日常的にさまざまな医療的ケアが必要ですが、食事に関しては、嚥下(えんげ)がうまくできないため、胃ろう(栄養や水分を直接胃に届ける医療処置)から栄養剤を注入して過ごしてきました。

心臓や血糖値の状態を踏まえ、栄養剤からミキサー食へ少しずつ切り替えることになったここちゃん。Instagramで紹介されたのは、ここちゃんが初めて白ごはんのミキサー食に挑戦した日のエピソードです。

ここちゃんの“初めてのご飯”を、心待ちにしていたきょうだい

学校から帰ってきた都色くんが、背負っていたランドセルも下ろさずにママに尋ねたのは、「ここちゃんって今日ご飯食べちゃった?」の一言でした。ママがまだ試していないことを伝えると、都色くんは、「あ〜よかった!初めてここちゃんがご飯を食べるところを見たいから、俺がいるときにやってほしい」と強く訴えてきたといいます。

さらに、次に帰ってきたひかりちゃんも、まったく同じことを口にし、きょうだいたち3人は、「みんなでここちゃんのご飯を作りたい」とやる気満々。ひかりちゃんはエプロンと三角巾を身につけて、準備万端です。

こうして、きょうだい総出でご飯をミキサーにかけ、とろみをつけて調理。完成した一皿を、胃ろう用のシリンジでここちゃんに注入する様子を見て、

「私が作ったご飯、どう?」
「俺たちと同じものを食べているのが、すっごくうれしい」

きょうだいたちは、そう声をそろえたといいます。自分たちで作った白ごはんのミキサー食を、うれしそうな表情を浮かべながら、一緒にスプーンで味見する3人。

その後も、パパがここちゃんへ白ごはんのミキサー食を注入するところを優しく見守るきょうだいたちの姿に、ママは以下のコメントを添えました。

「私たち夫婦だけでなく、きょうだいたちもここちゃんが白いご飯を食べる日を楽しみにしてくれていたことが、うれしくてうれしくて。

きっとここちゃんもずっとそう思っていたに違いない。これからたくさん、いろんなご飯を食べようね」

※文中で「食べる」と表現していますが、ここちゃんは口からではなく、胃ろうから摂取します。

4人で会話して笑い合っている姿に、「私も入れてよ〜」と… ママに話を聞いた

動画を投稿したママ・佐藤さん(@kokoiro10109)に話を聞きました。元幼稚園教諭の佐藤さんは、SNSでここちゃんと家族の日々を発信しながら、『インクルママ講演家』として、自身の経験を伝える活動をされています。

――佐藤さんから見た、きょうだいの関係性について教えてください。

「次女が『ここちゃんとケンカした〜』と言ってきたり、長男が長女と表情で会話をしていたり――。子どもたち4人で会話して笑い合っているのを見ると、『私もその会話に入れてよ〜』となります。

こころと一緒にできないことがあると『こうすれば、ここちゃんも行けるかな?』『こうやってやれば、ここちゃんもできるよね?』と、みんなでできる方法を考えていますね。

あとは“お姉ちゃん”“お兄ちゃん”と呼ぶことを、あえてしていません。みんなそれぞれ思いを込めてつけた名前なので、名前で呼び合ってます。基本的にきょうだいはみんな、こころに対して優しいですが、特別扱いはしていないです」

「当たり前に明日は来ない」「やらない後悔より、やった後悔の方がいいと、家族で挑戦を始めた」

――ここちゃんとの出会いで、佐藤さん自身のお考えや行動に変化はありましたか?

「こころが赤ちゃんのころ、子どもが大好きだった私が、我が子とどう遊べばいいか分からなかったんです。おもちゃで遊んでも笑わない、泣かない、ぐずらないこころと過ごす時間がつらかったです。目も合わない、耳も聴こえない――。

気づけば家中のシャッターを全部閉めて真っ暗にして、無言で育児していました。常に睡眠不足で、心も体もボロボロで…どうやったら2人で死ねるかばかり考えていたほどです。夫も泣きたかったはずですが、こころと私を明るくポジティブに支えてくれていました。

そんな中、こころがRSウイルスに感染して急変し、PICU(小児集中治療室)に入ることに。医師からは、『覚悟してください』と言われました。その言葉を聞き、待合室で泣き崩れながら出た言葉が、『一緒にキャンプに行きたかった』『七五三の写真を撮りたかった』という後悔の言葉の数々…。

そのことがあり、『やらない後悔より、やった後悔の方がいい』と思い、家族でやりたいことを書き出して、ひとつずつ挑戦していくように変わっていきました。

当たり前に明日は来ない。

『いつかできる』と思っていたけれど『いつか』はないのだと思うようになりました。病気があり、短い人生かもしれないけれど長さではなく、濃さだと思います。『それなら楽しいことを、めいっぱい一緒にやろう!できないと決めつけずに挑戦しよう』と行動も言動も変わりました」

――SNSでの発信を通して伝えたいことや、発信する際に大切にされていることを教えてください。

「車椅子だから、障がいや病気があるからといって『できない』と決めつけないでほしい。できないことがあるなら、その中でどうやったら楽しめるか、どうしたら一緒にできるかを考えてほしいと思います。

私たちもこころを連れて、キャンプやスノーボードに行きますが、最初からできたわけではなく、まったく外に出ないことからのスタートでした。大きいこと・小さいことに関わらず、何かに挑戦する一歩を踏み出してほしいです。

きょうだいたちの会話の中でポロッと出る『ここちゃんは言葉では話せないけど顔で話せるよ』『車椅子はここちゃんの足だよ』と話す姿を見てもらえれば、きっと障がいや病気への壁がなくなるのではないかなと感じます。

元幼稚園教諭、4人のママ、障がい児のママという3つの立場から、講演やSNSを通して、これからも伝えていきたいと思っています」

■佐藤さんの関連情報
Instagram:https://www.instagram.com/kokoiro10109/
Amebaブログ:https://ameblo.jp/satosasan/

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