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心療内科を受診しても悩みは残ったまま…仕事、家族、生活費の不安「誰に話せばいい?」相談相手を分ける手立ては【社会福祉士が解説】

もくもくライターズ もくもくライターズ

地方都市の住宅地で暮らす44歳の安西めぐみさん(仮名)。会社員の夫と、中学3年生の娘との3人暮らしです。従業員20人ほどの食品加工会社で、事務のパートとして週4日働いてきました。

半年前、眠れない日が続いて朝起き上がれなくなり、心療内科でうつ病と診断されました。今は月2回、通院しています。勤務日数を減らし、月額で約8万円だったパート収入は、直近で約4万円になりました。

診察は1回15分ほどです。睡眠の状態と薬の効き方を伝えると、それで時間が終わります。仕事を続けられるのか、娘の高校進学の費用をどうするのか、夫に負担をかけているのではないか。頭を占めるのはそうした不安なのに、切り出せないまま診察室を出ます。

医療の枠だけでは扱いきれない悩みを、どこへ持っていけばよいのかを見ていきます。

診察時間が限られ、生活上の悩みまで相談できないことも

厚生労働省の資料によると、精神疾患を有する外来患者数は、2023年で約576万人です。

限られた診察時間の中では、症状や治療についての相談が中心になり、仕事や生活費、家族についての悩みまで十分に話せないこともあります。

一方、こうした生活上の問題が体調や治療に影響している場合は、主治医に伝えることも大切です。医療だけでは解決しにくい生活上の悩みには、別の相談先もあります。

めぐみさんのように、医療の枠だけでは扱いきれない悩みをどこへ持っていけばよいのかを確認してみましょう。

▼まず紙に書き出して分ける

何から話せばよいか迷う場合は、困っていることを思いつくまま、紙に書き出してみる方法があります。体調、仕事、お金、家族などに分けてみると、悩みを整理しやすくなります。

そのうえで、診察で主治医に伝えたいことと、ほかの専門職にも相談したいことを整理すると、話しやすくなるでしょう。

▼医療機関の相談部門を確かめる

まず、通院先に生活上の悩みを相談できる窓口があるか、確認する方法があります。病院には、医療ソーシャルワーカーが配置されている場合があります。治療を続けながら抱える仕事や、生活上の悩みについて相談できることがあります。

精神科のある医療機関には、精神障害のある人の日常生活への適応や、社会復帰に関する相談に応じる国家資格、精神保健福祉士がいることもあります。

ただし、個人開業の診療所では相談部門を置いていないこともあります。その場合も、受付や主治医に尋ねると、連携先の病院の医療相談室や、地域の窓口を教えてもらえる場合があります。

話す相手を分けることが、通院を続ける支えになる

めぐみさんは、通院先の受付で相談できる部署があるかを尋ねました。クリニックに窓口はなく、代わりに地域の保健所を教えてもらいました。書き出した紙を持って出向くと、担当の保健師が話を聞き、生活費については自立相談支援機関を紹介してくれました。収入が減った現在の家計を整理し、利用できる制度がないかも含めて相談しています。

「先生一人に全部を話さなくていいと分かって、診察が楽になりました」とめぐみさんは話します。不安がなくなったわけではありませんが、話す相手が分かれたことで、診察では体調に集中できるようになりました。

まずは困りごとを書き出し、通院先の受付か主治医に、相談できる部署があるかを尋ねてみてください。

【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士 身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症Ⅱ型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。

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