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お盆に帰省したら親の物忘れが増えていた…「いつもと違う」どんな変化に気をつける? 遠距離介護で最初に確認したい相談先【社会福祉士が解説】

もくもくライターズ もくもくライターズ

「お母さん、こんなに物忘れがひどかったっけ…?」

お盆に実家へ帰省し、そう感じたのは、40代の会社員の坂上よし子さん(仮名)です。坂上さんは、夫と中学生の息子の3人で東京都内に住んでいます。

約1年ぶりに、母が一人で暮らす関西へ帰省したところ、母が何度も同じ話をしたり、同じ質問を繰り返したりする様子が気になりました。「以前は、何事もそつなくこなす母でした。でも、1年ぶりに帰省したら、物忘れが増えている気がしました」

坂上さんのように、お盆休みなどの久々の帰省で、親の物忘れや変化に初めて気づくことがあります。離れて暮らしていると、普段の生活の様子は把握しにくいものです。坂上さんは「このまま一人にしておいて大丈夫だろうか」と不安を感じました。

「いつもと違う」と感じたら確認したい親の変化

久しぶりに会った親に違和感を覚えたときは、同じ話を繰り返す頻度だけでなく、食事、服薬、金銭管理など、日常の場面で以前と変わった点がないかを確認します。例えば、冷蔵庫に同じ食品が大量に入っている、薬が余っている、公共料金の支払いが滞っているといった変化です。ただし、物忘れだけで認知症と判断することはできません。

気になった言動や生活の変化を整理しておくと、地域包括支援センターや医療機関に相談する際に、親の状況を伝えやすくなります。小さな変化であっても、生活に支障が出ていないか、本人が困っていないかという視点で確認することが大切です。

物忘れが気になっても、その場で何度も確認したり、できなくなったことを責めたりすると、本人が不安や戸惑いを感じることがあります。まずは本人の話を聞き、急いで結論を出そうとせず、普段の様子との違いを落ち着いて確認しましょう。

また、今後の生活や介護について家族だけで話を進めるのではなく、本人がどのような暮らしを続けたいと考えているかにも耳を傾けることが大切です。

親の物忘れが気になったとき、最初にどこへ相談する?

離れて暮らす親の生活や介護について不安を感じたときは、親が暮らす地域を担当する地域包括支援センターが相談先の一つです。

◇地域包括支援センターへ相談

地域包括支援センターは、市区町村が設置する高齢者の総合相談窓口です。保健師や社会福祉士などが、高齢者の生活や介護、権利擁護、介護予防などの相談に対応しています。

遠方から電話で相談できる場合もありますが、相談方法や受付時間は担当センターに確認してください。

相談する際は、物忘れの様子だけでなく、食事、服薬、金銭管理、外出、近所との関わりなど、生活上の変化を具体的に伝えます。このとき、「できていないこと」だけでなく「できていること」も併せて伝えておくと、本人の生活状況がイメージしやすくなります。さらに、本人の病歴やかかりつけ医、家族がどの程度支援できるかも分かる範囲で整理しておくと、相談しやすくなります。

坂上さんの場合は、帰省中に気になった母親の様子を整理し、自宅へ戻った後、母親が暮らす地域の地域包括支援センターに電話で相談しました。同じ話を繰り返すようになったことや、家族が遠方に住んでいることなどを伝えました。

地域包括支援センターでは、相談内容に応じて、医療機関の受診や介護保険、自治体の高齢者支援など、今後確認する選択肢を整理します。介護保険サービスの利用を検討する場合は、要介護認定の申請について案内されることもあります。

◇介護保険サービスが必要な場合は要介護認定へ

介護保険サービスの利用を検討する場合は、市区町村の窓口で要介護認定を申請します。申請後、認定調査や主治医意見書などをもとに、介護の必要度が判定されます。

要介護と認定された場合は、ケアマネジャーが本人や家族の希望、生活状況などを確認しながらケアプランを作成し、必要な介護サービスにつなげます。離れて暮らす家族の場合は、どの程度支援できるかも伝えておくとよいでしょう。

◇地域の見守りサービスも検討

介護保険サービスに限らず、自治体や民間事業者が、定期訪問、配食、緊急通報などを通じた見守りサービスを提供している場合があります。サービスの有無や利用条件、費用は地域や事業者によって異なります。本人がどのような支援を望んでいるかを確認しながら、地域包括支援センターや自治体の窓口に相談します。

「いつもと違う」と感じたときが相談のきっかけに

「親の物忘れや生活の変化に気づいたときは、不安や焦りを感じました。でも、地域包括支援センターに相談したことで、離れて暮らしていても地域の支援につながる方法があると分かりました」坂上さんは、振り返りながらそう語りました。

物忘れや生活上の変化があっても、その原因や必要な支援は人によって異なります。家族だけで認知症や介護の必要性を判断せず、地域包括支援センターやかかりつけ医などに相談することが大切です。

離れて暮らす親の変化が気になったときは、まず生活の様子を整理し、親が暮らす地域の相談先を確認しましょう。

【出典】
厚生労働省「地域包括ケアシステム」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/index.html

厚生労働省「地域包括支援センターの設置運営について」
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9386&dataType=1&pageNo=1

厚生労働省「介護サービス情報公表システム『サービス利用までの流れ』」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/flow.html

【監修】勝水健吾(かつみず・けんご)社会福祉士、産業カウンセラー、理学療法士 身体障がい者(HIV感染症)、精神障がい者(双極症Ⅱ型)、セクシャルマイノリティ(ゲイ)の当事者。現在はオンラインカウンセリングサービスを提供する「勇者の部屋」代表。

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