親切心で他人に声をかけたとき、必ずしも相手から感謝の言葉が返ってくるとは限りません。なかには予想もしていない反応が返ってくることも……。そんな驚きの出来事を描いた杉森仁香さんの作品『むかーし描いた実話漫画、今見直したら端的に怪談だわ』が、X(旧Twitter)で投稿され、63万回以上の閲覧数を獲得しています。
それはある日、作者が道を歩いていたときのことです。ワンピースを着た女性が前から歩いてくる姿が目にはいります。一見普通の女性ですが、よく見ると彼女が着ているワンピースの前のボタンがほぼすべて外れており、下着が見えてしまっていたのです。
これに驚いた作者は、彼女とすれ違った後にすぐ引き返し「急にすみません、ボタンが…」と、ワンピースのボタンが外れていることを彼女に知らせます。すると女性は、慌てる作者を見つめながら不敵な笑みを浮かべ、何も言わずそのまま立ち去ってしまうのでした。
読者からは「これは怖いですね…笑」や「ラッキースケベとホラーは紙一重。」などの声があがっています。そんな同作について、作者の杉森仁香さんに話を聞きました。
「そもそも今の人は本当に存在していたのか?」まで辿り着く羽目に
―同作を描かれたきっかけを教えてください。
元々、日常の中で起きた「なんだこれ」「どういうこと?」という出来事をなんらかの形で残すことが好きなのですが、今回の出来事はとにかく目で見たもののインパクトが大きかったので、ビジュアルで表現できる方法を選ぼうと思い漫画にしたのだと思います。今となっては「いやそういうものこそ言葉で表現しろよ、小説家だろ」と思います。
―当時はどのようなお気持ちだったのでしょうか。
相手の方はつまるところ無視のような形で立ち去っていったのですが、そのときはまず「えっ」という驚きがきて、「伝わらなかったかな?」「言い方が悪かったかな?」と思ったあと、時間をかけて「元々直す気はなかったのか」「わざとやってたのか」「もしかして声をかけられるのを待ってたのか」「いや本当にそうなのか」と混乱が加速し「そもそも今の人は本当に存在していたのか?」まで辿り着く羽目になりました。
意味がわかると怖い話とか、考えさせられる系ホラーの味わいでした。
―普段は小説を執筆されていますが、小説と漫画、それぞれの表現の魅力についてお考えをお聞かせください。
漫画は本当に趣味程度に描いた経験しかなく、語れるほどの知識もないのですが、やはりビジュアルの強さを語れるのが魅力だと思います。光や影を繊細に描かれる漫画家さんには、特に魅力を感じます。
小説の場合には反対に、想像できる余白が広くなるからこそ固定されすぎず、色んな読み方ができるのが楽しいですよね。自分の書いた作品やキャラクターについて「〇〇はこういうときこうするタイプだと思う」というようなお話を聞かせてもらうときなんかもめちゃくちゃ楽しいです。
<杉森仁香さん関連情報>
▽書籍『死期か、これが』(nonohaus webshop)
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▽書籍『ハカカリプス』(nonohaus webshop)
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