tl_bnr_land

1300年食べられてきた鮎が鵜を丸呑み!? “下剋上”和菓子が話題 岐阜の老舗が仕掛けた「攻めたデザイン」

米田 ゆきほ 米田 ゆきほ

今、ある和菓子の「衝撃的なビジュアル」が大きな話題を呼んでいる。

岐阜県岐阜市の和菓子店「玉井屋本舗」から発売の岐阜名物・長良川の鵜飼をモチーフにした焼き菓子。しかし、よく見ると、本来なら鵜に呑み込まれるはずの鮎が、逆に大きな口を開けて鵜を丸呑みにしているのだ。

「下剋上鮎(げこくじょうあゆ)」と名付けられた商品は、日本パッケージデザイン大賞2021でも銅賞を受賞するなど、デザイン界からも高い評価を獲得。1300年続く鵜飼いの伝統をあえて「逆転」させた背景には、和菓子離れが進む若者への熱いメッセージと、老舗ならではの職人魂が隠されていた。開発を手がけた「下剋上プロデューサー」の白木佑典さんに話を聞いた。

――コンセプトの由来は。

白木:2020年のNHK大河ドラマ『麒麟がくる』の放送がきっかけ。岐阜ゆかりの武将・明智光秀が織田信長に対して起こした下剋上と、地元・長良川の鵜飼文化を掛け合わせたんです。1300年以上、一方的に食べられてきた鮎が、光秀にインスパイアされて「一念発起」し、鵜に対して謀反を起こす…そんなオリジナルストーリーからこのデザインが生まれました。

――攻めたデザインの狙いは?

白木:和菓子から遠くなってしまっている若者層に注目してほしかったからです。「古臭い」という一般的なイメージを脱却し、洋菓子派の若者が日本の伝統産業に興味を持つきっかけになればと考えました。

――「上司への贈り物」としても人気だそうですね。

白木:はい。当初は「受験や試合の験担ぎ」を想定していましたが、最近では昇進する上司へのジョークを交えたお祝い(おめでとうございます、でもいつか下剋上してやるからな、という含み)として贈る方も増えています(笑)。人生の「負けられない局面」で使っていただけるのは、開発者としてうれしい限りです。

――製造工程で、特に大変だったポイントは。

白木:鮎と鵜の接着が大変でした。一体型の金型で作ると簡単ですが、それでは一つの「そういう生き物」に見えてしまいます。あくまで「鮎が鵜を襲っている」という下剋上感を出すため、別々に焼き上げてから接着しています。製造時間は通常の2倍以上。非常に非効率ですが、ここだけは譲れないこだわりです。

   ◇   ◇

2019年の発売以来、着実に知名度を上げてきた「下剋上鮎」は、今やキーホルダー化や、中日ドラゴンズとタイアップした「下剋上竜」へと展開。いつか岐阜土産の代表として、全国に対して下剋上を企てたい、という夢が達成されるのか。今後に期待したい。

▽玉井屋本舗
https://tamaiya-honpo.co/

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース