リモートワークの普及や成果主義の浸透にともない、職場における上司と部下の「距離感」や「関与の度合い」が改めて問われています。株式会社IKUSA(東京都豊島区)が実施した「マイクロマネジメント」に関する実態調査によると、過度な進捗管理や細かな指示が若手社員の主体性を奪い、離職リスクを大きく高めている深刻な実態が浮かび上がりました。
調査は、1〜5年目(一般職〜主任、直属の上司あり)の社会人400人を対象として、2026年4月にインターネットで実施されました。
調査の結果、「直属の上司からかなり細かく指示される」とした人は17.0%、「やや細かく指示される」は22.8%と、約4割の若手社員がマイクロマネジメントに近い環境で働いていることがわかりました。
細かい関与を受けた層(159人)にその影響を尋ねたところ、「ミスを恐れて挑戦できなくなった」(42.8%)、「上司の顔色をうかがうようになった」(31.5%)、「提案を控えるようになった」(20.1%)などが挙げられ、短期的な業務の安心感と引き換えに、中長期的な部下の主体性や挑戦意欲が著しく損なわれている現状が浮き彫りになりました。
過度な管理がもたらす影響は、社員の心理的負担にとどまりません。「マイクロマネジメントが原因で『辞めたい』と思ったことがある」とした人は54.5%にのぼり、上司の細かすぎる関与は、若手社員の定着率を低下させる直接的な要因となっているようです。
一方で、注目すべきは若手社員が決して上司の関与自体を拒絶しているわけではないという点です。
「上司からの関与に対する受け止め方」について、48.3%が「ありがたい」とポジティブな評価をしています。また、細かい関与を受けた層の64.8%は「モチベーションが向上した」とも回答しており、問題の本質は「関与の有無」ではなく、その「中身」にあると言えます。
最後に、「理想とする上司のマネジメントスタイル」を尋ねたところ、「定期的に対話し、アドバイスをくれる」(34.8%)が最多に。その一方で、「細かく進捗管理してくれる」(11.0%)は少数派となりました。
また、「現在の上司のスタイル」としても「信頼して任せてくれる」(28.8%)や「一緒に悩み伴走してくれる」(28.5%)が上位を占めており、「手取り足取り指示をくれる」(10.0%)は少数派にとどまっており、若手社員が求めているのは、手取り足取りの「統制・管理」ではなく、適切な距離感を保ちながら相談に乗ってくれる「支援・伴走」の姿勢であることがうかがえる結果となりました。
これらの調査結果から、今後のマネジメントにおいては、部下が「管理されている」ではなく「支援されている」と感じられるような、“納得感のある関与のバランス”を見極めることが若手の育成と定着の鍵となりそうです。
◇ ◇
【出典】
▽株式会社IKUSA調べ