人づきあいが苦手、社会になかなかなじめない――。そうした生きづらさを抱える20歳以上の女性たちに交流の場を提供しているのが、「いろは女子会」(@irohajoshikai)。
主催者は2026年5月までに、66回の交流会を開催。延べ250名もの女性が足を運んだ。なぜ、生きづらさに共感し合える場を立ち上げたのか。そして、デジタル全盛の今の時代に、対面での交流にこだわる理由とは…?主催者に話をうかがった。
安心して“生きづらさ”を共感し合える場を増やしたい
会を立ち上げるきっかけとなったのは、主催者が、別の団体が運営する「ひきこもり女子会」の会場に足を運んだことだった。そこで目にしたのは、大勢の参加者たちが自身のことを話し合う姿。安心して話ができ、共感し合える場所を求めている人が多くいることに衝撃を受けた。
「直接的支援や公的援助はもちろん重要なことですが、同じくらい人との温かな触れ合いも救いや希望につながるのかもしれないと思ったんです」
温かな交流ができる場所が社会にひとつでも多くあれば、悩んでいる人が一歩踏み出す機会が増え、選択肢も広がるはず――。そう思い、「人づきあいが苦手」「社会になかなかなじめない」「ひきこもりがち」といった生きづらさを抱える20歳以上の女性を対象にした「いろは女子会」をスタートした。
心の状態に合わせて選べる3つの居場所
いろは女子会では、「お喋り会」や「おそとの会」「楽しむ会」という3つの会を開催している。月1開催の「お喋り会」は、お茶やコーヒーを飲みながらお喋りを楽しむ会だ。
「何気ない世間話で笑い合ったり、誰かに聞いてほしいことをそっと話したりして、和やかで温かな時間となっています。もちろん、喋らずに耳を傾けるだけでもOKです」
「お喋り会」で話すテーマは、あらかじめ決めない。簡単な自己紹介のあと、参加者からあがったテーマを自由に語り合うスタイルとなっている。自身の悩みや仕事の話をする日もあれば、推しの話で盛り上がる日もあり、会の雰囲気が全く同じになることはない。
「運営サイドも参加者として、お喋りに混ざります。参加されるみなさんに、いろは女子会を作り上げていただいていると感じています」
「お喋り会」は開催時間内であれば、来たいときに来て、帰りたいときに帰って構わない。そのため、予約がプレッシャーにならず、体調や気持ちの面で予定を立てにくい人も気軽に参加できる。
なお、不定期で開催される定員3名の「おそとの会」(※要予約)は、ピクニックや工場見学、焚き火を囲んでのお喋りなどを楽しむ会だ。この会は、「お喋り会」の参加者からの「室内の閉塞感が苦手」「面と向かうと上手に話せない」という声を受けて作られた。
同じく不定期開催の「楽しむ会」(※要予約)は、6名で創作活動を満喫する会。三色パステルアート、ヨガインストラクターによるヨガや瞑想、芋煮会などが行われ、参加者が趣味を深める場にもなっている。
デジタルな時代に“対面での交流”にこだわる理由
「いろは女子会」ではすべての会において、直接顔を合わせる交流にこだわっている。
「単純に、私がデジタルに疎くてオンライン開催という選択肢が、最初から視野になかった…というのが大きな理由なのですが」と主催者は笑うが、回数を重ねる中で、対面だからこその意味を強く実感するようになった。
「顔を合わせて話し、表情や声や空気感などを直に受け取ることで生まれる安心感や心地よさは、たしかにあると感じます」
実際、参加者からは「自分の話を聞いてもらえてよかった」「いろいろな人の話が聞けてよかった」などの声が寄せられている。
「初めて参加されるのは、勇気がいると思います。でも、会が終わると、みなさん表情が和らいでいる。会を続けてきてよかったと感じる瞬間です」
ダメだと思う自分も、しなやかに受け入れてほしい
「まずは、やってみよう」との思いから始めた「いろは女子会」だったが、継続する中で主催者が感じたのは、ひきこもり女子会のニーズの高さだった。家庭でも職場でもない、安心して話ができるサードプレイス(第3の居場所)は、大人にとって貴重な場。だからこそ、この活動を長く続けていきたいと、主催者は意欲を燃やす。
社会になじめないと感じると、つい自分を卑下してしまう。だが、そんなときには「ひとりぼっちではない」と思い、心を守ってほしいと主催者は話す。
「今すぐ誰かと交流したり、アクションを起こしたりできなくてもいい。同じような思いを抱えている人が実はたくさんいるんだと知り、少しでもホッとしてほしいです」
自分を守ってあげられるのは、自分だけ。だからこそ、ダメだと思えてしまう自分を責めず、しなやかに受け入れられる方法を一緒に見つけていこう。
温かい交流が交わされる「いろは女子会」。気になる方はぜひ、参加してみてほしい。