復活! “子猫のとーちゃん”
子猫を保護するのは、飼い主さんにとって久しぶりのことでした。
まずは寝室に保管されていた、長らく使っていなかったケージを引っ張り出して徹底的に掃除。ベッド、トイレ、水飲み場、ごはん皿を整え、子猫をケージの中へと迎え入れます。
最初は落ち着かない様子を見せる子猫。飼い主さんは「いつかまたこのような機会があるかもしれない」と、日ごろから子猫用のミルクを常備していました。必要な分量を調べるために体重を測ると、550g。やはり生後2カ月ほどと思われました。
口の中を確認すると、すでに歯はきれいに生えそろっています。どうやらミルクよりも固形食の方がよさそうな状態でした。ただ少し下痢気味だったこともあり、まずは消化のよい液状のおやつを与えてみることに。すると子猫は夢中で食べ始め、あっという間に完食してしまいました。
その後、子猫用のキャットフードや猫砂を買いに走り、必要な環境をすべて整えた飼い主さん。お腹が満たされた子猫は少し安心したのか、すやすや――。飼い主さんも子猫のケージの隣にあるベッドで就寝しました。
そして数時間後、子猫の寂しげな鳴き声で目を覚まします。子猫はケージの中をうろうろと歩き回りながら、大きな声で鳴いていました。しかし、ケージから出して優しく抱きしめると、ピタリと鳴き止みます。頭をなでてあげると、のどをゴロゴロと鳴らしながら、飼い主さんの体に頭をすり寄せてきました。
「あまりのかわいらしさに、すっかりメロメロになりました。それと同時に、虹の橋を渡ってしまった『お兄ちゃん猫』の分まで、この子を絶対に幸せにするぞと心に誓いました」
2013年に保護した「ワムハチ」くん、「コトラ」くん以来となる子猫のお世話。飼い主さんにとっては、まさに“子猫のとーちゃん”が復活した瞬間でした。
保護された翌日になると、子猫はすっかり緊張が解けたようで、大の甘えん坊に変わっていました。常に飼い主さんのそばに寄り添い、抱き上げて頭をなでると、コロコロ、ぐるぐるとうれしそうにのどを鳴らします。どうやら、頭をなでてもらうのが大好きな性格のようでした。
やがて、先住猫の「ポップ」くんも、まるでお兄ちゃんのように子猫の面倒を見てくれるように――。新たな家族のかたちができあがっていったのです。