一つの物件に対して夫婦または親子の2人がそれぞれ住宅ローンを組む「ペアローン」を利用する人が増えています。三井住友信託銀行株式会社(東京都千代田区)が運営する『三井住友トラスト・資産のミライ研究所』が実施した「住まいと資産形成に関する意識と実態調査(2026年)」によると、2021年~2025年の借入れでのペアローンの利用割合は約2割となり、20年前と比べて約2倍に増加していることがわかりました。
調査は、住宅ローン利用経験者かつ借入形態(単独ローン・ペアローン)がわかる全国の18~69歳(金融、調査、マスコミ、広告従事者を除く)の男女5958人を対象として、2026年1月にインターネットで実施されました。
2021年~2025年における「住宅ローンの借入形態」についてペアローンの利用割合を見ると、2005年以前の10.1%から2021年~2025年では22.0%と約2倍に増加していることがわかりました。
そこで本調査では、単独ローン世帯とペアローン世帯を対象に、家計の状況(コンディション)と住宅ローンの借り方という二つの軸から比較し、それぞれの特徴や共通点を深掘りしました。
まず、「世帯の就労パターン」を調べたところ、ペアローン世帯の「共働き率」は84.8%と高い水準にある一方で、単独ローン世帯においても57.8%と、共働き世帯の増加が進む中でも、単独ローンを選択する世帯も一定数存在していることがうかがえました。
また、「現在の世帯年収」については、単独ローン世帯、ペアローン世帯ともに「700万円~1000万円未満」(単独ローン世帯30.9%、ペアローン世帯28.7%)が中心層となっています。
続いて、「家計管理の形態」について、「単独管理」「主体者あり共同管理」「共同管理」「独立管理」の4つの選択肢から選んでもらったところ、単独ローン世帯は依然として「単独管理」(36.9%)と「主体者あり共同管理」(36.3%)が多いことがわかりました。
一方、ペアローン世帯では「主体者あり共同管理」と「独立管理」(いずれも28.0%)が最多となり、特に「独立管理」は単独ローンより13.1pt高く、収入・支出をそれぞれが管理する世帯が多いことが特徴となっています。
次に、住宅ローンの借り方に着目しました。
「住宅ローンを検討する際に参考にした情報源の数」を見ていくと、単独ローン世帯は「1カ所」(42.2%)が最多となった一方、ペアローン世帯では「1カ所」(30.9%)が最多だったものの、単独ローン世帯よりも少なく、「3カ所以上」(18.3%)が高まっています。
具体的な情報源としては、借入時期・ローン形態にかかわらず「住宅販売会社・不動産会社の営業担当」(同61.1%、72.9%)や「金融機関の窓口・担当者」(同47.0%、46.2%)が主要な情報源となり、2010年代以降はペアローン世帯において「ファイナンシャルプランナー(FP)」(32.6%)を活用する割合も大きく伸びています。
また、「借入金額中央値」を世帯年収700万円未満と700万円以上に分けて分析をしたところ、700万円未満の層は単独ローン世帯が2703.1万円、ペアローン世帯3379.3万円、700万円以上の層でも単独ローン世帯が3724.6万円、ペアローン世帯が4404.8万円と、ペアローン世帯が単独ローン世帯のおよそ1.2倍となりました。
さらに、「頭金割合」について見ると、単独ローン世帯では「頭金ゼロ」が継続的に増加している一方、ペアローン世帯では減少し、「頭金1割くらい」が増えていることがわかりました。