髙キャバクラやラウンジでは「移籍金」というシステムがあります。これはキャストが別のお店に転職することを「移籍」と呼んでいることから使われている言葉で、売れっ子が他店から来てくれた場合のみ、お店側がお祝いとして一定の金額を支払うことをいいます。
かつてはホストクラブ独自のシステムだったのですが、最近は一部の有名キャバクラでも導入されているようです。近頃の最高金額は移籍金1億円で、日頃の稼ぎと移籍金だけで年収がスゴいことになってしまうでしょう。
しかし、相当な売れっ子でないと移籍金の提案さえされないのが現実。もっと言ってしまうと途中打ち切りの話もあり、条件がかなり厳しいようです。
移籍金の分割支払いと途中打ち切りの罠
そもそも移籍金の金額はキャストの人気によって異なります。「入店祝い金」と称してボーナスをもらえるケースもありますが、一定以上の売り上げ実績がなければ数十万円~数百万円が限界です。おまけに分割支払いなので、入った翌月にウハウハというわけではありません。
例えば移籍金100万円だとしたら月に10万×10カ月なども普通。水商売は離職が目立つため、細かく払うのは在籍期間を少しでも長引かせるための対策です。一気にもらってすぐに退職するキャストもいますから、店側が損をしないようなシステムとなっています。
働き手のやる気をアップさせるためのお金ですが、同時に「頑張って貢献してください」という無言の圧力でもあります。そのため、高額の移籍金を提案されても、途中から売り上げが悪くなると打ち切られることも。
満額をもらうまでは安心できないのが、このシステムの罠なのです。また風俗業界でも、入店祝い金と称したものはあるらしいのですが、ホストやキャバクラと同様に分割支払いが基本なのだそうです。
移籍金目当てで入店→飛ぶ!あくどいキャストは消えない
このように移籍金を獲得したキャスト全員が真面目に働くわけではありません。なかには移籍金の支払いが続いている状態で数カ月働き、支払い打ち切りや金額見直しをされる前に店を辞めてどこか別のエリアに引っ越してしまう“持ち逃げ系”キャストも存在します。
移籍金を持ち逃げすれば、働いていたエリアでは悪評が広まって戻ってこられなくなるため、最近では移籍金を満額貰ったらすぐに別の店に移籍を繰り返すキャストもいるそうです。
このようにお金を巡って悪いことを考えるキャストは星の数ほど存在します。そのため最近では移籍金獲得の条件として「×カ月までに×××万円売り上げを伸ばせ」などの目標値が設定されたり、そもそも移籍金をかんたんに支払うことが減ったりしているようです。
移籍金をもらうための難易度があがることで、キャストが新しい環境で挑戦したくても客離れを恐れて挑戦できないなんてことが起こらないように願うばかりです。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。