自分がどんな状態になっても、今あるものを大切にしながら生を全うする強さが猫にはある。アメリカンショートヘアのあずきくんも、そのひとりだ。
あずきくんは心臓の筋肉が厚くなる心筋症を患い、血栓が血管に詰まる血栓塞栓症となり、後ろ足がまひした。だが、残された前足をフルに使って、飼い主さんとの日々を楽しんでいる。
憧れだったアメリカンショートヘアを迎えて
2013年3月、アメリカンショートヘアに憧れがあった飼い主さんはペットショップで、あずきくんに出会った。
「私は、生きてきた中で壮絶なこともあって…。憧れのアメショーさんと家族になれたら、元気になれるのではないかという気持ちもありました」
かわいくて優しい顔立ちをしており、体の模様が美しいあずきくんに一目惚れ。お迎えを決意した。
あずきくんは、ツンデレな性格だ。甘えたいときにはすり寄ってきてくれるが、気が乗らないときに触ると、噛んだり、別室へ行ったりする。
「気に入らないご飯だと、嫌な顔をしてエア砂かけします(笑)。わがままなアメリカダンディに育ててしまいましたが、これぞあずきです」
両後ろ足が突然まひ…血栓塞栓症が発覚!
穏やかな日々が一変したのは、2026年3月19日のこと。夜12時前、あずきくんは「ギャン」と大声で鳴いた後、口呼吸になり、後ろ足を引きずり始めた。
ただごとではない。そう感じ、すぐに夜間診療をしている動物病院へ駆け込むと、心筋症から血栓塞栓症が起きたことを知る。
「今思えば1月や2月は、吐くことが多かった気がします。うんちが緩めだったので薬をもらっていましたが、健康診断もしていたので、初期の腎臓病の影響だと思っていました」
一命を取り留めることはできたものの、あずきくんは両足がまひしたままの状態に。飼い主さんはショックを受けたが、愛猫が快適に暮らせるよう、マッサージなど自分にできるケアを行うようになった。
「足のまひでかゆいところがかけないため、ブラッシングはこまめにしています。柔らかい場所で過ごすのが好きなので、毛布や長座布団は部屋にいくつか置くようにしています」
両後ろ足がまひしても帰宅時のお出迎えは欠かさない
飼い主さんの愛ある配慮や本ニャンの努力により、現在、あずきくんは飼い主さんの在宅中には、オムツをせずに暮らせるようになった。
「システムトイレに入りたがりますが、低いトイレも隣に置いています。うんちはシステムトイレ、おしっこは低いトイレで使い分けしてるようで賢いです」
今もあずきくんは、仕事から帰宅した飼い主さんを毎日、玄関でお出迎え。後ろ足を引きずりながら、「お帰りなさい」と出迎えてくれる優しさを、飼い主さんは愛しく思っている。
「仕事で疲れた日も嫌なことがあった日も、いつもかわいいあずきに癒されています。長生きしてほしい」
失ったものよりも今あるものを大切にして、飼い主さんとの暮らしを楽しむあずきくん。その姿から、人間が学ぶことは多い。