R-1ぐらんぷり2018王者であり、現在はテレビや舞台で幅広く活躍する盲目のピン芸人・濱田祐太郎さん。彼が主演を務める舞台「盲目の新喜劇」の第2弾が、5月29日(金)になんばグランド花月(以下・NGK)にて開催されます。
昨年、吉本新喜劇の間寛平GM(ゼネラルマネジャー)との“酒の席の約束”から実現したこのプロジェクト。初挑戦の“殺陣(たて)”で評価を得た前回を経て、今回はタップダンス、そしてゲストにKis-My-Ft2の二階堂高嗣さんを迎えるなど、さらなる進化を遂げようとしています。濱田さんに舞台への意気込みなどお話を聞きました。
【きっかけは「酒の席のバカ話」だった】
――昨年開催された第1回目はどのようなきっかけで始まったのでしょうか。
濱田:始まりは本当に、ただの酒の席のバカ話だったんです。大阪マラソンに参加した時、間寛平師匠とお会いする機会があり、その後、寛平師匠らと飲みに行くことになったんです。
僕は師匠とお話しするのが初めてで、めちゃくちゃ緊張してお酒を飲んでました。で、酔った勢いで「僕が持っている白杖と、師匠が新喜劇の暴れる時に使う杖で戦いたい」と言っちゃったんですよ。そうしたら師匠が「お前、それめっちゃおもろいやんけ!」とノッてくれはって。
――酔った勢いだけでは終わらなかったのですね。
濱田:2軒目に行ったカラオケで、師匠がさっきとは違う真剣なトーンで「お前は頑張ってるから偉いわ。本気でやる気があるなら、俺が協力する。新喜劇、実現するか分からんけどやってみるか」と言ってくださって。そこから1年後の去年、本当に形になりました。
――子どもの頃から見ていた新喜劇の舞台に立つというのは、やはり特別でしたか?
濱田:ご褒美の時間でしたね。土曜日のお昼、テレビで見ていたあの世界に自分が出られるなんて、芸人になった時でも想像していませんでした。両親もまさか息子が新喜劇に出るとは思っていなかったでしょうから、喜んでくれましたね。
【見えないからこそ、徹底した“殺陣”の基礎稽古】
――前回は“殺陣”への挑戦もありました。苦労も多かったのでは?
濱田:集団で作るお芝居は新鮮でした。殺陣に関しては、ジャパンアクションクラブの出身で、チャンバラトリオさんのお弟子さんでもあった、新喜劇の平山(昌雄)さんに教えていただき猛練習をしました。
僕は自分の姿勢を意識したことがなかったので、まずは“へっぴり腰”を直すところから。何をもってへっぴり腰なのか、見えないので理解できていない。だから平山さんの「今の姿勢は綺麗」「今は腰が引けている」と一回一回教えてもらって、体の感覚で覚えていきました。
――見えない状態での激しい動きは、恐怖心もあったのでは?
濱田:自分が真っ直ぐ進めているかどうかも分からないですからね。稽古場の端から端まで、平山さんの「はい!」という声の方向に向かって真っ直ぐ小走りで進む練習から始めました。週2回、2時間の個人レッスン。基本の“き”より前の段階からのスタートでした。でも、本番ではお笑いとしてしっかりお客さんに受けていたので、プレッシャーを感じるより、ただただ楽しく演じることができました。
【第2弾はタップダンスに挑戦! ゲストはキスマイ二階堂高嗣】
――そして今回、待望の第2弾が開催されますが、前回の打ち上げですでに決まっていたそうですね。
濱田:打ち上げの席で寛平師匠が「来年もやろう」と言ってくださって、その場にいた社員さんが「来年のこの日のNGK、押さえました」と(笑)。今回は現代劇で、ちょっと恋愛も絡んだりした話で、その会話の中で“タップダンス”に挑戦すればということになって、今、必死で練習しています。
――ゲストにはKis-My-Ft2の二階堂高嗣さんが出演されます。濱田さんと二階堂さん、意外な繋がりに驚きました。
濱田:2018年に「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」で一度共演したきりだったんです。でも、僕がSNSで「新喜劇をやります」とポストしたら、二階堂さんが引用ポストで「おめでとうございます!」とリアクションをくれて。そこからスタッフ同士で連絡が取れるようになり、今回、アホのふりして(笑)出演をお願いしてみたら、まさかのオッケーをいただきました。
【「日本民間放送連盟賞」受賞と、意外な“野望”】
――最近では、冠番組『濱田祐太郎のブラリモウドク』が日本民間放送連盟賞の準グランプリ(テレビエンターテインメント番組部門)を受賞されました。おめでとうございます!
濱田:ありがとうございます。東京のスタッフさんからは「凄い賞ですよ!」と言ってもらえて、東京のテレビに呼ばれるようになりました。でもなぜか大阪の人にはあまりピンとこられていないみたいで(笑)。もっと大阪のテレビにも呼んでほしいんですけどね。
――番組では、濱田さんの毒舌と、共演の藤崎マーケット・トキさんとスタッフさんの、濱田さんを甘やかさない展開と、放送された時の編集が絶妙でした。
濱田:サポートしてくださったトキさんはもちろん、ディレクターの方をはじめ、スタッフさんが熱意を持って“面白い”を最優先に作ってくれました。障害があるからと遠慮せず、いじり・いじられる関係性が新鮮に映ったのかもしれません。
――そしてエッセイ本『迷ったら笑っといてください』も出版されました。
濱田:文章だと、口で言うよりも自分の思っていることがストレートに出ますね。実は、次に出したい本の構想がありまして……。以前、リットン調査団の藤原さんとシャンプーハット・恋さんのすけべをテーマにしたイベントでエロ話を披露した時にすごく好評で、終わってから構成してた作家さんに「濱田くんは絶対に官能小説を出すべき!」と言われまして。官能小説を書きたいなと思っています。
で、もし出版できたらこれまでR-1ぐらんぷり、民放連の賞、大阪文化祭賞といただいてきたので、次は官能小説や文学の賞を狙っていきたいなと(笑)。
【「継続」の先に見える、新喜劇の全国ツアー】
――改めて5月29日の「盲目の新喜劇」へ向けて、メッセージをお願いします。
濱田:今回は配信もありますし、二階堂さんという豪華なゲストも来てくれます。去年は僕や新喜劇に興味がある方が中心でしたが、今回はもっと幅広い層の方に「こんな面白いものがあるんだ」と知っていただきたいです。
僕の目標は、この「盲目の新喜劇」を継続させていくことです。いつかはこの演目で全国ツアーもやりたい。大きなホールでも、去年の殺陣を経験して、自分でも動き回れるという手応えを掴みました。盲目の芸人が中心にいても、純粋に「新喜劇」として笑える舞台をお届けします。ぜひ、足を運んでください!
「盲目の新喜劇」
日時: 2026年5月29日(金)
開演/19:30(開場は30分前)
チケット:配信 /2500円
会場: なんばグランド花月
出演: 間寛平、濱田祐太郎、辻本茂雄、西川忠志、ケン、平山昌雄、新名徹郎、レイチェル、筒井亜由貴、重谷ほたる、入澤弘喜、小林ゆう、野崎塁、横山裕輝、野呂桃花、ネイビーズアフロ、もも スペシャルゲスト/二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)
チケットの問い合わせ:0570-550-100