セクシービデオ業界には「ブーム」があるのをご存じでしょうか。規制が強まる前は表現の幅が広く、とにかくフリーダムな世界だったので(笑)、作品の売れ行きや女優の系統によって「今は××というジャンルが流行り中」というのをずっと繰り返していたのです。
もちろん現在も多少の流行りは関係しますが、ひと昔前のようなジャンルの幅広さは見られません。こうなれば“多様性”が薄まり、流行のアップダウンに大きな差がなくなるのです。特にとあるジャンルは苦戦を強いられている最中なんだそう。
昔はあったぞ××ブーム!流行りに合わせて新人と作品を輩出
一口にブームといえども、ビデオや女優の代表的なジャンル・系統は限られるため、同じものがグルグルとループされるだけなのですが(苦笑)、それでも「今はこれが流行り」なんてのがありました。
時代の変化と共にブームのサイクルが早まり、令和以降は数カ月~半年程度で流行りが入れ替わるほど。「春までは××が売れていたのに、夏を過ぎたら△△が売れ始めた」と、移り変わりがめまぐるしかったのです。
そしてブームに乗ると売れやすく、人妻ブームの時はキレイ系女優の輩出に力を入れ、作品も流行りに寄せます。人妻(熟女)ブーム、お姉さんブーム、ギャルブーム、ロリブームなど、作品に関してはメイドやサキュバス(悪魔)などが急に売れだしたり、ジャンルを細分化したらキリがないもので、その時何が当たるのかは誰にも読めません。しかも「ロリの次はギャル!」といった法則性も全くゼロです。
法則的でないとタイミングが強く関係し、「たまたまブームにノれたから売れました」系の女優が現れます。一度波に乗れば方向転換しても安定し、もっとラッキーだとブームの第一人者にもなれて良いことづくめ。事務所もそんな存在が現れると二番手、三番手を売り出しやすいからウハウハでしょう(笑)
ただし、法則性もなく、母数が増えれば埋もれやすくなるという大きなデメリットが。次の流行りがすぐ来てしまえば空振りの可能性が一気に上がり、メーカーも売れると思って作品を出した頃にはすっかり下火で……なんて悲しい事件も実際に起きます。
AV新法導入により、ブームに変化が
「JK」、「ロリ」などの表現規制や、AV新法導入以降は撮影からリリースまで4カ月以上の期間を空けるルールが追加され、ブームにも変化が起きました。
ロリが流行るとJKモノ作品が大量に出回るのがお決まりでしたが、現在は「女子〇生」といった伏字がマストで、映像には「作中の出演者は18歳以上です」という注意書きを加えねばいけません。「制服」という単語はOKなものの、ちょっと審査に引っ掛かればリリースは打ち止めに……。このように、作品作りのやりづらさから、ロリブームが起こりづらくなってしまったのです。
今は少し幼く見える女優はアイドル系や清楚系として売り出し、制服モノは「幼なじみ」という表現が増えています。制服+幼なじみなら大体「あ、これはJKか」と多くのユーザーは察しますから、ある意味規制をかいくぐった陰語の1つですね(笑)
また、撮影からリリースまでの時間が空くとリアルタイムなブームには乗れません。発売する頃には流行が過ぎ去っている恐れがあり、セクシー業界のお家芸だった“時事ネタ”のパロディが難しくなってしまいました。モチロンそれらをめげずに取り扱うメーカーも存在しますが、プチ流行する程度のアニメ・漫画の模倣を避ける例は以前に比べて増えたような気がします。
元セクシー女優である筆者の現役時代はまだまだブームに左右されていた頃で、ロリ→お姉さん→素人系などを繰り返していたように感じます。
ルールがカッチリすると自由度が下がり、全体的に「似たり寄ったりな感じ」になりやすいのが悩ましい部分だと筆者は思います。ここ数年はキレイなお姉さん系がブーム……というより諸々の規制がないため取り扱いやすく、お姉さんに比例して若妻・人妻ジャンルの作品が安定の売れ行きを誇るとのことです。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。