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「ボンはもう私自身」車のエンジンルームから救出された子猫と暮らして7年 療養中も寄り添った愛猫との絆

古川 諭香 古川 諭香

「ボンは私の一部というか、もう私自身。この子が虹の橋に向かったら、ちゃんとボンを見送った後で私も連れて行ってほしい」

そう話すほど愛猫ボンくんを愛す、飼い主の父ちゃんさん(sOZJqorSDN9jBcY)。温厚で優しいボンくんは、元保護猫。

父ちゃんさんは7年前、生後40日だったボンくんの命を必死に紡いだ。

同僚の車のエンジンルームに隠れていた子猫を保護

2019年6月下旬、父ちゃんさんは会社の駐車場にある草むらで子猫が鳴き喚いていることに気づいた。重要なミーティングがあったため、すぐには保護できなかったが、会社に事情を話し、子猫のもとへ。しかし、姿はなくなっていた。

きっと母猫が迎えにきたんだろう。そう思い、職場に戻ったが、状況を伝えていた奥さんが夕方、会社の駐車場を訪れ、車の下にいる子猫を発見。車の持ち主である同僚によれば、車を運転していた出社時、猫の鳴き声がしていたそうだ。

「おそらく、同僚宅の駐車場から車のエンジンルームに入って乗ってきたんだろうという結論になりました」

子猫は手が届かないところに入り込んでしまい、自力での救助は困難。JAF(日本自動車連盟)を呼んで車を吊り上げるなどし、3時間ほどかけて救出された。

一時保護した子猫が正式に“家族の一員“に

他の人は引き取ることができなかったため、子猫はひとまず、父ちゃんさん宅へ。保護時は、生後40日ほど。気温は高かったが、体温が下がらないように湯たんぽでの保温を徹底した。

「ミルクのみだと経験がないので不安に思いましたが、ウェットフードを食べてくれたのでよかった。かわいくて、お世話を大変とは思いませんでした」

最初は一時保護のつもりだったが、一緒に暮らせば、もう家族。子猫は「ボン」という名前を貰い、家族の一員になった。

お迎えから3カ月ほどは、全く懐かず。父ちゃんさんは懐かないのも個性として受け入れていたが、ある日突然スイッチが入ったようにデレるように。その後は別猫級の甘えん坊になった。

「威嚇をしたのは、保護時だけ。引っかかれたことも、かまれたこともありません」

4匹の愛猫が見せた関係性を踏まえたストレスケア

当時、父ちゃんさん宅には2匹の先住猫がいた。兄猫マルくんは母猫代わりとなり、ボンくんをお世話。ボンくんはマルくんから貰った優しさを、後に迎えた弟猫パンくんに見せたという。

一方、成長に伴って、姉猫のモモちゃんとは仲が悪くなってしまったそうだ。自宅では住み分けをし、どの猫もストレスなく、暮らせるようにしている。就寝時、父ちゃんさんはボンくんとパンくん、奥さんはモモちゃんとマルくんと眠っているそうだ。

「とにかく、先住を優先することも心がけています。抱っこもご飯もモモ、マル、ボン、パンの順。特に、モモは私とママを1年近く独占していた時期があったので、一番大切に考えています」

また、猫用トイレだけでなく、食器や水飲み器も頭数プラス1個以上置くことを意識。部屋の温度は年中、全部屋25度±2度以内にし、湿度は40%以下にならないように気をつけている。

潰瘍性大腸炎の自宅療養中に感じた“愛猫の優しさ”

父ちゃんさんは、ボンくんの優しさに救われたことがある。持病の潰瘍性大腸炎が悪化し、40日ほど休職して自宅療養していた時、体を温めようと思ったのか、いつもお腹に乗ってくれたのだ。

「お腹の調子が悪い中で上に乗られるのは辛かったんですが、ボンの優しい気持ちを無碍(むげ)にはできませんでした(笑)」

療養中に何度もトイレを行き来する時、ボンくんは部屋のドアまで迎えに来てくれ、ベッドまでエスコートもしてくれた。そうした支えのおかげで、父ちゃんさんは自宅療養を乗り越えることができた。

「もし、ボンと話せたら。まずはこれまで寄り添ってくれたことやうちに来てくれたことへのお礼を言いたい。体に異常がないか、生活に不満がないか、モモとの相性が悪いのはなぜか…とか聞きたいこともたくさんあります(笑)」

そう話す父ちゃんさんには、ボンくんを迎えてからの7年間、呪文のようにかけ続けてきた言葉がある。

「ボンは父ちゃんで、父ちゃんはボン。怖い病気にならず、父ちゃんとずっと一緒にいるって約束守ってよと毎日、唱えているんです(笑)」

保護という形であれ、ボンくんのニャン生を変えたのは自分。だからこそ、幸せだと思ってもらえるような暮らしを築きたい――。そう思いながら、ボンくんとの日々を紡ぐ父ちゃんさん。

温かいその想いはきっと、ボンくんの心に届いていることだろう。

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