仕事が上手くいかないとき、環境や才能のせいにしてしまう経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。サイコミにて連載している人気作品『今どきの若いモンは』(作:吉谷光平さん)からの抜粋エピソード『何かのせいにして頑張れない人が変わる方法』は、そんな社会人の挫折を描いています。
学生インターンとしてベンチャー企業で働くことになった佐藤は、100件以上の企業に商談電話をかけます。しかし電話口に出た人からは「二度とかけてくんな!!!」と怒られるばかりで、商品説明もままなりません。
どうにか対面の説明にこぎつけても、担当者からは「話は終わり。さっさと帰って」「子供の会社ごっこに付き合う時間なんてないの」と冷たくあしらわれます。失意のまま会社に戻った佐藤に、社長は「いや~残念だったね!!!」「今日はお疲れ様でした!!」と明るく話しかけてくれます。その後、社長は封筒に入った1日分の給料を佐藤に手渡すのでした。
商談を成立させられなかった佐藤は、「まだ何の成果も出せていない自分には受け取る価値がない」と1日分の給料を拒みます。すると社長は「そうだね。君は1円も生み出していない。だからこそ受け取ってほしいんだ」と、一見矛盾に聞こえる言葉を投げかけます。
その真意を先輩社員であるウサミに尋ねると、会社は投資を受けて成り立っているスタートアップであり、1円も無駄にできない過酷な状況にあることを知らされます。そんな1円も無駄にできない状況だからこそ、「貴重なお金を渡していることをしっかりと受け止めてほしい」というメッセージが込められているのではないかとウサミは佐藤に伝えました。
その後、実は佐藤が両親との意見の食い違いから家出していることを知ると、ウサミは社長に相談し、会社に泊まる手続きをしてくれます。一緒に会社に泊まることになったウサミは佐藤に、なぜ親とケンカをしたのか聞きます。
そこで佐藤は「いい学校、いい会社に入れ」という親の圧迫感から家出してきたことを明かすと、ウサミは「甘えてるだけじゃん」と一喝。急に強い言葉をかけられた佐藤は驚きますが、それに構わずウサミは「何かのせいにしないで弱い自分を受け止めるしかないよ。変わりたいならさ」と語ります。この厳しいながらも核心を突く言葉に、佐藤は驚きつつも深く考えさせられるのでした。
読者からは「良い先輩だ、言葉は厳しいけど行動は優しい」「まさに今の自分に刺さる言葉です」など、ウサミの言葉への共感の声が多くあがっています。そんな同作について、作者の吉谷光平さんに詳しく話を聞きました。
価値に対して報酬が多いと感じることばかりでした
ー「一円も生み出していないからこそ受け取って欲しい」が印象的でした。この言葉に込められた意図は?
「あなたは利益を出していない」という事実をより痛感してほしいという意図だと思います。
ー吉谷さんは、実際に「自分が生み出している価値」と「報酬(給料)」のバランスに悩んだ経験はありますか?
あります。会社員をしていた時、漫画のアシスタントに入った時、漫画が売れなかった時。すべてのお仕事のスタートの地点では、価値に対して報酬が多いと感じることばかりでした。きっとみなさんそうだと思います。
ー弱い自分を受け止めるというのは実際にどのようなことだと思われますか?
弱いという事実を「本気をだしていないから」「本当はやりたくないから」「じぶんのせいじゃないから」と心の中で何かしらの言い訳をしてよけないで、正面から受け止めることだと思います。
<吉谷光平さん関連情報>
▽『今どきの若いモンは』連載サイト(サイコミ)
https://cycomi.com/title/87
▽書籍『今どきの若いモンは』(Amazon)
https://www.amazon.co.jp/dp/B0875FV4GF
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