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【大阪モーターショー】「開発の方、ファーストガンダムファンでしょ」「私の口からは何とも」 スズキの次世代4足モビリティの名はモクバ2

小嶋 あきら 小嶋 あきら

 2025年12月5~7日の3日間、大阪南港のインテックス大阪で、第13回大阪モーターショーが開催されました。国産車、輸入車合わせて33ブランド、一般展示なども含めて234の企業や団体が集う、西日本最大級のモーターイベント。王道をやや外れるかもしれませんが、特に心を惹かれた展示の様子をお伝えします。

跳ねて転がって月面探査する「まいど2号」

インテックス大阪をほぼフルに使った大規模なイベント。今回のテーマは「いいね!モビリティ」。クルマだけにとらわれない様々な移動の形を含めた展示になっていました。

 

最初に2号館に入ると、いきなり月面探査機です。東大阪市の宇宙開発協同組合SOHLAが製作した「まいど2号」です。SOHLAは以前、人工衛星「まいど1号」を作った産学官連携事業で、今回は月面にチャレンジされるのです。

月面探査機というと普通、車輪やキャタピラで移動するものを想像しますが、まいど2号は完全な球体です。そして動きは「跳躍」のみ。斜め前方に向かって、ひたすら跳ぶのです。そして地形に逆らわず、ひたすら転がる。なんてロックな奴なんでしょう。しかし実はこれが「月面の地形と重力に対応して、さらに昼夜の大きな温度変化も利用して、少ないエネルギーで効率よく移動する」というものすごく合理的なシステムなんですね。

月面着陸に向けて現在、クラウドファンディングに挑戦しています。

ものづくりの現場の楽しさが伝わる大学の展示

この2号館には他に、大学などのブースもいくつかあります。大阪公立大学の「健康志向自動車」は、前方のスクリーンに向かって運転席で足をバタバタさせています。自転車とか足踏み自動車みたいなものかと思ったのですが、違います。クルマにはちゃんと動力があります。

実はこれ、アクセルペダルに代わる制御装置というか、入力装置なんですね。両足を交互に踏む、またはスライドさせることで発生する運動量を電気信号に変えて、エンジンやモーターを回す力をコントロールする装置。脚力は車を動かすエネルギーには寄与しないんだそうです。つまり運動不足を解消しながらクルマを運転するためのシステムで、既存の車にも取り付けられるものを目指しているとのこと。これだとアクセルとブレーキの踏み間違いも解消されるかもしれませんね。

 

大阪産業大学のブースでは、まるで魚のような流線型の乗り物に目をひかれました。これはEne-1という省エネルギーマネジメント競技にエントリーしている車両で、紙のハニカムとベニヤ板を使ったフレームにカーボンのカウルを被せる構造で、車重はなんと18kgという軽さ。単三形のニッケル水素電池40本で、最高時速85キロだそうです。

他にも前後ホイールにモーターを搭載した2輪駆動のバイクや、カワサキの636ccエンジンを学生フォーミュラプロジェクトの車両などを見ていると、ものすごく楽しく取り組んでいる現場の空気が伝わってきます。

懐かしいモデルのリバイバルと、次世代のモビリティ

モーターショーの楽しみというと、やはり近未来を感じさせるコンセプトカーや、近日発売されるかも知れない参考出品モデルなどが見られることでしょう。スズキのブースで参考出品されていたe-VanVanは、きっと筆者の同年代ライダーの心をつかんだのではないでしょうか。

太いタイヤが特徴のレジャーバイク、VanVanのEVモデルです。ブースで説明されていたスタッフは、実は技術職でバイクの開発もされているそうです。いろいろうかがったのですが、このバイク、モックアップなどではなく本当に走れる状態で、例えば今回の会場などでの反響次第では実際に製品として販売されるかもしれないということ。とても楽しみです。

そしてその隣。スズキのMOQBA(モクバ)2、という次世代4足モビリティを見て、このフォルム、この名前で思わず聞いてしまいました。

「開発の方、絶対ファーストガンダムを意識されてるでしょ」
「私の口からはなんとも(笑)。でも、開発にガンダムの好きな方は多いですね」

 いやー、こんなお話が聞けるのも、やっぱりモーターショーならではですね。

 

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