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取り壊された建物が撮影できる「思い出カメラ」がSNSで話題「なんでレンズ入ってないカメラで撮れるんだ!?」

米田 ゆきほ 米田 ゆきほ

解体された建物、変わってしまった風景の過去を撮影できるカメラが話題だ。

形はカメラだが、レンズも無く不思議な「思い出カメラ」。もう無くなってしまった建物、変わってしまった場所などに向けて黄色いシャッターを押すと、思い出の中にある風景が蘇った写真が撮影できるとのこと。そんな魔法みたいなことが、一体どうやって可能になるのか?制作したのは、研究者で発明家の堀洋祐さん。不思議なカメラの仕組みについて話を聞いた。

――カメラを作ったきっかけは? 

堀:昨年、実家を取り壊しました。解体後にGoogle マップのストリートビューで実家を見てみると、 解体された実家がまだストリートビューで見ることができたんです。そこでGoogle マップストリートビューを使うことで、過去の建物や風景を撮影できるアイデアを思いつきました。 

――仕組みは ?

堀:思い出カメラにはGPSセンサーと姿勢を計算するセンサーが内蔵されていて、位置と方向を常時計算しています。シャッターボタンを押すとGoogleマップのストリートビューから、保存されているかつての写真を取得します。取得した写真は、通常のカメラと同様に思い出カメラの液晶画面にプレビュー表示され、SDカードに保存されます。 

――印象深い写真は? 

堀:子供の頃、当時東京に単身赴任していた父を訪ねて東京に行きました。その時に両親に連れて行ってきてもらった船の科学館(東京都品川区)が解体されて現在は更地になっています。

思い出カメラを通してかつての船の科学館の姿を見た時、当時の思い出がよみがえりました。さらに船の科学館の動画をSNSに投稿したところ、多くの方から船の科学館にまつわるエビソードを聞くことができ、思い出を共有することができました。

――これから、どんな使い方をしたいですか?

堀:まだ実家に帰れていないので、実家を撮影したいです。再開発や老朽化で多くの建物が取り壊されているので、現在と過去の写真を撮影し、SNSなどを通じてたくさんの方の思い出を聞いてみたいです。

◇    ◇

SNSでは「現代のキテレツ」「完全にドラえもんの未来道具」「未来の道具だけど、撮れるのは過去なのか」「こんな人がドラえもんを作るのかも」などの反響が集まった。今はなき建物を映し出すカメラ。どのような活用をされるのか今後に期待したい。

堀洋祐 Yosuke Hori / カサネタリウム kasanetarium
X:https://x.com/kasanetarium

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