先日話題になったロッテX公式アカウント「ロッテ クーリッシュ【公式】」(@lotte_coolish)の「3Dプリンターで『絞り口』を作ってみました〜!」という投稿。飲むアイス「クーリッシュ」の飲み口に3Dプリンターで製作した絞り口を装着する模様を紹介したところ、SNSユーザーからその危険性を指摘されたのだ。
その中で大きな注目を集めたのは機械部門の技術士、しぶちょーさん(@sibucho_labo)が2022年に投稿した以下のレポート。
「3Dプリンタで製作したコップ。水入れて1週間経ったけど、"水漏れなし"で思いの外、優秀だった。せっかくなので分解して見たところ、インフィル内には水漏れがあった。大体予想通りだけど、これだとだいぶ”不衛生”だね。基本的に3Dプリンタで食器は作らない方が良い。実感できました」
表面的には水漏れはないように見えたが、コップを割って内部を調べると素材には大小数々の空洞があり、そこに水が漏れていることがわかったというこの実験。たしかにこれでは3Dプリンターによる造形物を飲食用に使用するのは不安だ。
しぶちょーさんにお話を聞いた。
ーー3Dプリンタでコップを作られた経緯は?
しぶちょー:「3Dプリンタで作ったコップは水漏れしないのか?」という、純粋な技術的興味からです。投稿自体はかなり前のものになりますが、3Dプリンタを買って日が浅く、色々と試したい時期でもあったので思い付くままにコップを作って、水を入れて放置してみました。
ーーコップ製作を振り返ったご感想を。
しぶちょー:多少、水が沁み出してくるだろうと予想していたのですが、予想に反して水が漏れてくることはありませんでした。
ただ投稿の中でも紹介しているように、内部には少し染み出ていました。もとより3Dプリンタでの食用機器の製作は衛生面等の観点から推奨されておらず、その理由を身をもって知ることが出来ました。内部に水が沁み込んでる食器はだいぶ不衛生ですよね。
ーー投稿に大きな反響がありました。
しぶちょー:3Dプリンタでは誰でも気軽にものが作れてしまいます。それ故に食品衛生法などを調べずに、食用機器の製作・販売をしてしまう方が後を絶ちません。3Dプリンタでの食用機器の製作は色々と問題がありそうだということが、直感的に伝わったようでよかったです。私自身もリプで色々と新しい技術知識を得ることができました。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「ガチレスすると、食品接触用の樹脂にはポジティブリストという国が定めた基準があって、まずそれに適合しているかを確かめないと危険です。 菌床よりも、化学的安全性の懸念ということ。 外装は3dプリンターで作って、食品接触面は食品にも使えるシリコーンとかで塗膜しちゃうのがいいかもですね」
「俺なら水漏れなしでそのまま常用しそうなところを、分解して内部解析するのはすごいと思った そのおかげで欠陥が見つかったわけで…」
「不衛生よりも温かい飲み物を入れた時に、有害物質が溶け出してそれを飲むことの方が遥かにリスクがある…」
など数々の驚きの声が寄せられたしぶちょーさんの投稿。
3Dプリンタでの食用機器製作についてはしぶちょーさんのPodcast『ものづくりnoラジオ #177 「クーリッシュ」炎上から考える、3Dプリンタと食の安全』でも紹介されている。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
【しぶちょーさん関連情報】
▽技術ブログ『しぶちょー技術研究所』
https://sibucho-laboratory.com/
▽Xアカウント
https://x.com/sibucho_labo
▽Podcast『ものづくりnoラジオ』:リンク
▽Podcast『おちつきAIラジオ』:リンク