働く女性の意識や環境は、この20年でどのように変化したのでしょうか。株式会社キャリアデザインセンター(東京都港区)が運営する女性の転職に特化した転職サイト『女の転職type』による「働く意識」に関する調査によると、職場で「性別による格差がある」と感じた人は、20年前から約20%増加していることがわかりました。
調査は、同サイト会員の20~50代の働く女性306人を対象として、2025年10月にインターネットで実施されました。
まず、「昨年の年収」について聞いたところ、「200~300万円未満」は2005年の24.5%から2025年では30.1%、「300~400万円未満」は17.8%から24.5%と増加したのに対して、「100万円未満」は20.8%から13.7%へと減少しました。
一方、「理想の年収」について、2005年は「300万円未満」が28.8%だったのに対し、2025年は7.5%に減少。逆に、20年前は「300~500万円未満」が33.9%だったのに対し、2025年では65.4%と、この20年で働く女性の理想の年収は上昇傾向にあることがわかりました。
次に、「結婚・出産後の理想の働き方」を聞いたところ、2025年も20年前も「子どもができたら産休をとりつつ、職業を持ち続ける」(58.6%、46.2%)が最多でした。一方、「子どもができたら退職し、大きくなったら再び職業を持つ」は、20年前の29.9%から2025年では10.6%と大きく減少したほか、「わからない」と回答した人は、20年前の5.5%から2025年では12.2%と約2倍になっています。
また、「職場で性別による格差を感じたことがある」と答えた人は、20年前の70.1%から2025年では91.2%と20%近く増加。
「具体的な格差の内容」を20年前と比較すると、「子育てのハンデ」(20年前55.3%→2025年63.1%)や「家事のハンデ」(同56.1%→同61.3%)は増加した一方で、「採用」(同37.8%→同29.0%)や「配属」(同34.8%→同23.7%)、「福利厚生」(同20.5%→同9.7%)は大幅に減少しました。
そこで、「転職したいと思った理由」を聞いたところ、「賃金が低い」(20年前41.9%→2025年65.7%)、「職場の人間関係がよくない」(同19.2%→同44.2%)、「仕事内容が合わない」(同23.7%→同35.6%)でいずれも増加したほか、「通勤時間が短い仕事につきたい」(同9.7%→同33.3%)も大幅に増加しており、リモートワークの人気がうかがえました。
また、転職経験者の「転職した時に妥協した条件」については、20年前、2025年いずれも「給与・ボーナス」(20年前48.9%、2025年52.1%)が最多となっています。
「もし今後パートナーを持つなら、どんな役割分担をしたいですか」と聞いたところ、20年前、2025年いずれも「家事・育児ともにパートナーと分担する」(20年前41.0%→2025年69.4%)が30%近く増加して最多。反対に「自分は家事・育児を中心にし、仕事は家計の補助程度」(同37.3%→同20.5%)は20%近く減少となりました。
最後に、「生き方を参考にしたい働く女性」を聞いたところ、20年前は、1位「黒木瞳」さん、2位「緒方貞子」さん、3位「松嶋菜々子」さん、4位「マザー・テレサ」さんが上位にランクイン。
2025年は同率1位「ジェーン・スー」さん、「高市早苗」さん、2位「天海祐希」さん、3位「北川景子」さんといった自分の考えをしっかりと持っていて、それを世の中に発信している女性の名前が多く挙げられました。
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【出典】
▽女の転職type/働く意識、20年前と今
https://woman-type.jp/academia/discover-career/data/vol-117/