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「老後資金に不安」30~50代で9割…「楽しい老後の想像が出来ない」「不安というより怖い」

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

老後資金に「不安」を持つ人が約9割――そんな調査結果が日本コープ共済生活協同組合連合会(東京都渋谷区)による「老後の生活資金や不安」に関するアンケート調査でわかりました。では、老後資金・生活資金について、どのようなことに不安や大変さを感じているのでしょうか。

調査は、全国のCO・OP共済加入者5094人(20代以下209人、30代680人、40代1227人、50代1759人、60代1035人、70代172人、80代以上12人)を対象として、2025年8月にインターネットで実施されました。

調査の結果、全体の89.2%が「老後資金・生活資金に不安を感じる」と回答し、特に物価上昇、子どもの養育費・教育費、親の介護など、将来に対する複数の不安材料が重なる30代~50代で9割強と高い傾向が見られ、以下のようなコメントが寄せられました。

▽子どもの教育費もどれくらいかかるか分からないのに、もし親の介護が必要になったら生活が成り立つかどうか(30代女性)
▽年金だけで生活できるかどうか不安しかない。歳がいくほど身体に支障をきたすなか、子どもには迷惑をかけたくない。楽しい老後の想像が出来ない(50代女性)
▽物価が上がる中、療養中のため仕事ができずにいる。子どももいるので養育費、生活費に不安。子どもが進学する年齢になっても選択肢を狭めてしまわないか、自分達の老後はどうなるか、「不安」というより「怖い」と感じる(30代男性)

また、「老後資金や生活資金の必要性は感じているものの、実際には備えられていない」と答えた人が全体の56.2%に上り、計画的な準備の重要性が広く認識されている一方で、行動に移せていない現状が浮き彫りとなりました。

特に、家計状況が「厳しい」と回答した層では、「意識はしているが備えられていない」との回答が82.3%に達しており、「家計状況に余裕がないから」「日々の生活で精一杯だから」など、将来への備えよりも目の前の生活を優先せざるを得ない家庭が多いことがうかがえます。

続けて、「老後資金・生活資金について、特に不安や大変さを感じるもの」を尋ねたところ、「年金の受給額」(58.7%)、「医療費・介護費」(54.7%)、「貯蓄が足りるかどうか」(50.7%)が上位となり、回答者全体の半数以上が不安を感じていることが明らかになりました。

年代別では、20代~50代では「年金」への不安が最も多く挙げられたほか、若い世代では、「貯蓄の不足」や「必要な資金総額が分からない」、子育て層が多い30代では「子どもの生活費・教育費」への不安が目立ちました。

一方、「老後資金・生活資金以外の不安」としては、「仕事を続けられるか・見つけられるか」(46.1%)、「お金・財産の管理」(36.3%)、「生きがいを見つけられるか」(29.5%)が上位に挙がり、20代以下は「お金・財産の管理」、30代から60代では「仕事を続けられるか・見つけられるか」、70代では「一人で暮らすこと」が最も多く挙げられています。

そのほか、既婚者は「家族と暮らすこと」や「生きがいの有無」に関心が高く、未婚者は「一人で暮らすこと」や「つながりづくり・交友関係」に不安を抱く傾向が見られました。

最後に、「自身が亡くなった後の葬儀や各種手続きに対する意識」を聞いたところ、全体の38.1%が「意識はしているが、備えられていない」、29.9%が「あまり意識できていない」と回答し、年齢が上がるほど「葬儀や死後の手続き」への意識や備えが高まる傾向が見られるものの、実際には多くの人が「意識しているが備えられていない」という現状が示されました。

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