みなさんは「はたらくWell-being」(働く幸福度)をご存知でしょうか。「業種別Work Switch Score調査2025」は、パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社が、全国の20〜69歳の就業者10000名を対象として、2025年3月に実施しました。
Work Switch Scoreは、仕事への熱意を示す「ワーク・エンゲイジメント」や、日々の仕事に対する喜びや楽しみを表す「ワクワク実感」、自己成長の実感度を測定する「成長実感」、仕事と生活の調和を測る「ワークライフバランス」の4つの構成要素から算出され、全国平均を50.0ポイントとした偏差値で表されています。
まず、業種別のスコア全体を見ると、Work Switch Scoreが最も高かったのは「教育、学習支援業」の53.1ポイントであり、次いで「学術研究、専門・技術サービス業」が52.7ポイントと、専門性や社会貢献性の高い業種が全体平均を大きく上回る結果となりました。一方で、Work Switch Scoreが全国平均を下回ったのは、製造業(49.2ポイント)、卸売業・小売業(49.0ポイント)、金融業・保険業(49.0ポイント)、運輸業、郵便業(48.9ポイント)、公共(49.0ポイント)などであり、これらの業種では働く個人の幸福度において改善の余地があることが示されました。
製造業では、低スコア層が33.8%を占めており、高スコア層と低スコア層の間で、特に成長実感、リフレッシュ、他者貢献の実感に大きな差が見られました。改善策の具体案として、ベテランから若手への技能伝承や多能工化プログラム、QC活動による提案制度の拡充が推奨されています。また、「評価不満や不快空間が阻害要因になっている」ため、公正な評価制度や労働環境の改善が必要であると指摘されています。
Work Switch Scoreが49.3ポイントの情報通信業については、 情報通信業の低スコア層は33.2%で、分析結果では、「自己成長実感(134%ポテンシャル)を中心に、最新IT技術の習得と社会DX推進における貢献実感の醸成により、業界全体の底上げが期待できる」と示唆されています。この業界の特徴として、高スコア層と低スコア層の差が最も大きい不幸せ因子は「評価不満」であり、「評価基準の透明化とフェアなフィードバック体制を構築」することが、働く幸福度の向上に不可欠であると結論付けられています。
Work Switch Scoreが最も高い教育、学習支援業(53.1ポイント)では、高スコア層と低スコア層の間には明確な差がありました。低スコア層は「評価不満や不快空間」が挙げられており、高スコアを維持し、さらなる向上を目指すためには、業務評価の透明化とコミュニケーション環境の改善にも注力する必要があると示唆されています。
公共(公務員)のWork Switch Scoreは49.0ポイントと平均を下回っています。この業種の高スコア層は、自己成長や他者貢献、役割認識への満足度が高いことが分かっていますが、「公務員としての成長実感と社会貢献の実感を高める取り組みが、低スコア層のスコア向上につながる可能性がある」とし、政策立案やDX技術に関する研修の充実、市民からの感謝や政策効果のフィードバックの収集・共有が重要だとされています。低スコア層では、自己抑圧や評価への不満であり、「裁量権の付与や評価制度の透明化、職場環境の改善」といった対策が求められているようです。
【出典】
業種別Work Switch Score(ワークスイッチスコア)調査2025/パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社
https://www.persol-wsc.co.jp/wp-content/uploads/2025/10/industry_workswitchscore_investigation2025.pdf